油コブシは山というよりも六甲主稜から南に伸びる尾根の一部であり、その尾根が神戸方面に向かって急激に落ちる先端部分を「山頂」と称している。昔、菜種油を有馬方面に運ぶため尾根道を越えていたが、急な坂のために油をこぼしたことが名の由来とか。
今回の一連の山歩きで通った場所は、国土交通省近畿地方整備局のサイトに詳しい。六甲の他のバージョンもあるので楽しそうだ。
ということで、油コブシ以降は緩やかな尾根を歩いた。ブナの林が美しい。今回歩いた中では一番のようだ。
しかし主稜が近くなると住宅(別荘?)の裏側を通るため、幻滅する。最後に六甲主稜部に付けられた道路に出る。ケーブルカーの六甲山上駅から100mほど東側である。この幻滅感もあり、六甲山頂駅(現在はケーブルカー運休中)まで全山縦走路を繋ぐために(単純に車道を)歩こうという元気が失せた。
車道を六甲山上駅に向かう。油コブシと神戸が眼下に見える。その後も車道を歩き、別荘や保養施設の前を登って主稜線上のメインの車道に出る。交差点の反対側に「記念碑台」がある。その近くに三角点があるので寄り道した。
どこにあるのかとスマホのGPSと地図とで探したところ、車道から階段を上った記念碑台の芝生の中に、名も知れずという雰囲気で(何の目印もなく)、三角点(796.0m、点名は記念碑台)が埋もれていた。
記念碑台に満足し、車道に戻り、六甲の町中(地名は六甲山町で、小中学校、郵便局、交番がある)を西に歩く。少し下ると三国池のバス停である。
そこから北へ細い車道を上がる。途中から遊歩道に入り、再度車道に出ると、西側を指して「三国岩へ100m」の表示がある。車道を下ると鏡餅が積み重なったような岩がある。それが三国岩である。左脇に踏み跡があり、岩の上部に出られるが、展望はない。実は踏み跡が、岩の北にある三角点に向かっているのか確かめたのだが、先は笹薮だった。
車道に戻り、東へ50mほど歩いて北に折れた。右手(西)に水道施設がある。その南脇にかすかに歩いた跡がある。それをたどり、一段高い地点に出る。
さらに先に小高い部分があるので、歩いた跡をたどりながら登ったが、途中から軽いヤブこぎになった。やはりGPSと地図で探したところ、三角点(802.5m、点名は三石岩)が見つかった。よく見るとその三角点の後ろにプレートがあった。「三国岩」とあり、「さんごくいわ」とカナが振られていた。
三国岩の謂れとして「武庫(むこ)、菟原(うはら)、有馬」の境だったからとあるが、岩の形からは三石(俵が重なっている)が正しいと思った。
写真、上は記念碑台の三角点で、手前の白い石がそれである。下は三国岩の三角点である。奥の木に山名のプレートがある。
2022/10/14