川北英隆のブログ

陰の長期連載にピリオド

今年は身辺整理の年か。過去を脱ぎ捨て新しいものにチャレンジする年か。本当はどちらでもないのだが(何か決心するなんて得意ではない)、これから自身のイベントがいくつか予定されている。その1つが中央経済社の看板雑誌、「企業会計」のニュース欄である。
ファイルを探すと、91年7月から毎月、「企業会計」のニュース欄に記事を書いてきた。その月に生じた金融もしくは証券市場関係のトピックを、1000字程度で簡単にまとめるものである。その原稿を今月も提出し、最後とした。
31年間続いたことになる。日本生命での勤務が29年間だったから、それをも超えた。特定の原稿や役職として最長不倒ということになろう。生きてる期間、つまり年齢だけは31年よりもはるかな長いのだが。
最初は「企業会計」の編集部からの依頼だった。中央経済社の常務取締役までなられた小坂井和重さんから電話があった(当時はメールなんてない)。最初、見本的に書いたところ(複数のニュースを集めて1つにまとめたのだが)、1000字程度なので特定の出来事に絞って書いて欲しいと言われたのを覚えている。
記事には執筆者の名前が出るわけでない。だから陰である。とはいえ情報の整理、知識の整理として役立ってきた。
たとえば制度に関して書く時には、その制度をきちんと知らなければならない。だから自分自身の能力アップにもなる。出来事の裏を少し知るため、関連するニュースを集めると、頭の整理になる。今ではネットで簡単に情報が集まるものの、20年くらい前までは関連図書を調べることもあった。
そんなこんなで30年少しが過ぎた。振り返ると、原稿の締め切り近くには、「今月は何をテーマにしようかな」と悩むことも多かった。「何か大事件があると嬉しいのに」「あの会社、またまた事件を起こさないかな」なんて不埒なことをふと願うこともあり、週刊誌の記者の気持ちがわかるようにも思った。
来月からは「社会が平和でありますように」と、少しまともな人間になれるような気がする。良かった。

2022/10/19


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