川北英隆のブログ

金糞岳を越え登山口に戻る

白倉岳からしばらくはのんびりとした灌木の稜線である。北側と南側の展望を楽しみなが歩く。その後、石灰岩の岩場を高度差50mほど下って鞍部に出る。鞍部付近から、白倉岳まで登ってきた尾根と、金糞岳を越えた後に下る尾根とが一望できた。
鞍部からは笹の多い道を高度差100mほど登る。広場に着けば、そこが金糞岳(1317m)の山頂である。登山口から3時間45分かかった。
山頂は背の少し高い灌木と笹に囲まれ、わずか北側が開けて白山が見える程度だった。三角点は山頂から北側へ400mほどの距離にある。踏み跡らしきものはなく(あっても薄いのだろう)、行くのを諦めた。
山頂で昼食にした後、南尾根を下りにかかった。整備された道となる。下り始めて2名の登山者に出会った。1名は連状台に車を駐車して登ってきたと話していた。もう1名は長靴を履いていた。鳥越峠からなのか。
途中、乗鞍岳、御嶽山、さらに遠くに中央アルプスが見えた。その南奥に南アルプスらしき山並みと、その手前に恵那山だろうか、丸く大きな山があった。
ブナの美しい林を過ぎ、鞍部で坂内村登山道および鳥越峠への道を分ける。少し登ると大朝頭(1073m)である。東側に杉の植林が出てくる。そこから少し下り、登り返すと小朝頭(1081m)になり、その先はほぼ一本調子の下りである。東側に舗装された鳥越林道が見えるようになり、やがて林道に飛び出す。標高950mの連状台(連状口)である。小さな駐車場があり、白い車が1台停まっていた。途中で会った登山者のものだろう。
連状台から先は道が悪くなる。まず「道の続きはどこ」の状態になった。駐車場から数歩東側、背の高いススキの間に踏み跡があったので、「これだろう」と分け入った。じきにススキが終わり、林の中へと踏み跡が続く。それをたどるとようやく登山道らしくなるが、道が溝状になり、落ち葉や枝が登りの尾根よりも多い状態だった。テープの印もない。
もっとも、歩きにくいことを除けば迷うことはなく、またアップダウンがないのは予想通りだった。標高650m地点で再び林道に出る。小森口と呼ばれる地点である。
灌木と草で南側が覆われていたため、またもや下りの続きがわからなくなった。しばらく探したところ、道路に下りた地点から10mほど東側に踏み跡を見つけた。灌木の陰に尾根をたどる道があった。
しばらくは緩い下りの尾根道だったが、道が東を向くと、植林の中をジグザクに下るようになる。最後は沢の右岸に出るので、その沢沿いに150mほど下ると白谷口である。鉄杭を2本掛けた橋で沢を渡り、林道に出る。後は東俣谷川沿いに歩くだけ。途中、頼朝の馬駆け上がり岩、鳴り岩などがある。
高山キャンプ場に戻ったのは、金糞岳を出てから2時間55分後だった。
そこでタクシーを呼び、迎えに来てくれる時間を利用して高山の村まで歩いた。キャンプ場のすぐ下に堂来清水(どうらいしょうず)という名水がある。
タクシーを待ち合わせていたのは高山神社の下だった。タクシー会社の方で指定してきた。意外に早くタクシーが来ていたため、高山神社は下から仰ぎ見るだけで終え、長浜駅までと告げた。北陸本線の大阪方面行き電車の本数が長浜から多くなる。
上の写真は金糞岳の下りから見た乗鞍岳(中央左奥)と御嶽山(中央右奥)である。下は白倉岳と金糞岳の鞍部付近から見た東俣谷川である。川の右側の尾根を登り、左側の尾根を下った。左の尾根のほうが右よりも短い。遠く左端に伊吹山、中央付近に霊仙山と鈴鹿、右側に琵琶湖が見える。
20221022乗鞍と御岳.jpg

20221022琵琶湖方面と周遊の尾根.jpg

2022/10/22


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