川北英隆のブログ

カニ談義

今年の松葉ガニはえらく高いらしい。近くで売っていたコッペガニ(セコガニ、松葉のメス)をカミさんが「旬だから」と買ってきた。福井と金沢で食べなかったリベンジか。
1杯1300円少ししたらしい。京都に移った当初は確か500円程度だったような。計算すると年率5.5%の上昇である。「黒田はん、超金融緩和の解除ができまっせ」と思う。とりわけ去年から今年にかけての値段の上がりようが凄まじいと思う。一昨年は忘れたが。
子供の頃は、数日前にも書いたように、コッペガニはおやつだった。いつしか食べなくなり(値段が上がったため母親が買わなくなったのかもしれない)、東京に出稼ぎに行って以降、店でも見なくなった。群馬出身の友人に聞くと、「そんなん食べたことがない」らしい。関東人は食べなかったのだろう。
先日、愛媛と岡山出身のを交えてカニ談義をしていると、カニというとワタリガニ(ガザミ)や川のケガニだったとのこと。奈良県では、そもそも海産物と縁の遠い地域でもあり、ワタリガニを目にしたというか口にしたのは、大人になってからだったと思う。
川のケガニは、12月に行われる春日大社のお祭り(御祭り)の時、露店に並ぶのだが、えらく生臭いし、寄生虫がいると親から注意されていたこともあり、口にした記憶に乏しい。
この川のケガニは上海蟹の仲間である。その上海蟹は数回食べたし、上海の裏町で安かったのだが、ケガニの連想もあって今では好んで食べようとは思わない。
そのケガニ、海のものは大学生になり北海道に山旅をするまで知らなかった。山旅ながら、当然平地も歩き、確か旭川だったかで、今から考えると非常に安く売られていた。でも、当時は「海のケガニなんて何や」と思い、しかも貧乏旅行だったため、食べ損ねた。多分美味かったのだろうなと、今でも諦めきれない。
そのカニ、焼いて食べさせる店もある。何カニかは忘れたが、焼くと歯槽膿漏の臭いがする。嫌いな料理である。
以上、高いカニ、浦島太郎の歌の「子はいかに」、たまに食べるだけで十分だ。と負け惜しみに近いかに。

2022/11/24


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