先日、京都でおばんざいをつつきながら知人のKさんと軽く飲んでいたところ、話が日経の名物コラム「私の履歴書」に及んだ。異色との評価で一致した。
誰の履歴書なのか。読んでいればすぐにわかるように、野村證券の社長だった古賀信行氏である。
人事やMOF担(監督官庁との窓口)歴が長い。僕が野村證券に入っていれば同期入社となるところだった。東京と京都なので採用担当部署が異なる。このため、大阪地区での内々定者懇親会が盛大に執り行われた京都の三嶋亭では一緒ではなかったはずだが。ついでに考えると北尾さんとは一緒だったかもしれない。
その古賀さん、野村證券で何を行ったのか、どのように業務を改革したのかはほぼ書かれていないに等しかった。最後まで期待して読んだのだが、わかったのは(僕にとって復習になったのは)証券業界の1975年前後以降の歴史である。どうして山一證券が消えたのかも少し書かれていた。僕の感覚と、表現は異なっていたが、近いものがある。
同時に、「こういう人物と付き合った」と多く語られていた。推察するに、そういう人物との交流を通じて社長にまでなったのだろう。
それでは今後の証券会社をどうするのか。外部から得たアドバイスでもいいので、それを聞きたかったのだが、企業秘密なのか、記憶に残ったものはない。
ということで、証券市場の歴史を知らないものにとって、よくまとまった優等生のレポートだったような気がする。この意味で異色である。
今日から村井邦彦氏のバージョンが始まった。目を通したところ、型破りなことが起きそうな、ワクワク感が久しぶりに蘇った。
2023/02/01