小鞍嶺から北へ下った。斜面には雪が少し残っていた。すぐに車道に出る。この車道は三室山からの道が電波塔の手前でぶつかったのと同じである。車道を北西に歩く。南側は霊園、北側は公園になっている。じきに5差路に出る。山中なのに道が多い。
次の目的地は龍田本宮御座峰だった。5差路で少し戸惑い迷ったが、右手に折れ、北へ向かえばいい。
車道を少し歩くと展望が開ける。右手の斜面にぶどう畑が広がり、その向こうに奈良盆地が見える。盆地の奥に音羽山があり、その左には榛原の山と、雪を頂いた高見山が薄っすらとある。また音羽山の右には大峰が大きい。5差路付近からは、二上山から金剛への連なりと和泉が見え、その手前に一昨年2月に歩いた寺山の立派な姿があったから、この付近はなかなかの展望台である。
200mほど歩くと左手(西)へと上がる歩道があり、「御座峰(ござがみね)」と書かれた案内板がある。地形図では5差路の北、果樹の印がある地点から西に入る破線路に相当する。
それに入ると苔むした地が現れ、その北には石灯籠があり、こんもりとした木の後ろには石碑らしきものが見える。神域として手前に縄が張られ、立入禁止である。龍田の神様が降臨された地らしい。
しかし、この神域は山の中腹である。降臨されたとすれば山頂ではないのか。地形図にある321mの独立標高点ピークを確かめる必要がある。とはいえ神域を通って山頂を目指すわけにいかない。
そこで、上がってきた歩道がさらに先まで延びているので、山頂に向かっていないか確かめた。窪地(地形図の小さな池付近)を過ぎると果樹園になり、その先は笹と灌木の薮で進めない。
仕方ないので5差路に戻り、南西に延びる車道を経て、321mピークの西側からアタックすることにした。地形図では、東側を通る車道から実線路が321mピークに向かって延びている。それを使って290mの等高線まで上がり、そこから少し南に回り込みつつ、310mの等高線に向かう破線路をたどろうとした。
その実践路の分岐のほんの少し手前に紛らわしい道がある。竹藪の横を下る道である。すぐに笹薮に突っ込んだので引き返し、少し北側で目指す実線路を見つけた。
小鞍嶺とこれから登る321mピークを見つつ平らな広い道を歩くと、290m付近で北と南に分岐する。北側の下で何かの工事をしていた。南に上っていくと果樹園に入る。321mピークから南に伸びる稜線の上である。
果樹園の北側に笹原が広がり、その先、林の中の稜線が見える。稜線と並行して浅い溝状の道があるものの、落ち葉と背の低い笹で歩きにくい。稜線の上を少し歩くと右側(東)に最高点があった。名札などは何もなく、広葉樹と灌木や笹が続いているだけだった。少し開けた場所があったので、そこで昼食にした。
上の写真は実線路から見た321mピーク(龍田本宮御座峰の最高点)である。下は同じく、左から二上山と葛城、金剛である。
2023/02/03