川北英隆のブログ

三郡山を往復して立木駅へ

奥山峠のコンクリート壁を直登するのは無理である。東の谷側(コンクリート壁の基部)を見ると踏み跡がある。要は壁の横というか、裏側に沿って峠の上部に向かうらしい。
その基部にはゴミが多い。奥山峠は雲海を簡単に見られるので人気があるそうだ。そんな峠だが、車道から北尾根に上がり、尾根道を歩こうという物好きはいないに等しい。峠上部への踏み跡は木の枝や倒木が多く、疲れが出てきた状態では少し厳しい。
峠の上部に出ると雑木林の中、明瞭な踏み跡が出てくる。470mの等高線ピークの手前で東へ下る尾根道を分ける。その先は小さなピークが続くのだが、各ピークには必ずと言っていいほど巻き道がある。かつて尾根の西と東の往来のためよく利用されたのだろう。
植林の中を大きく下りると峠である。名前は不明である。峠から谷には下りず、そのまま尾根を登る。よく踏まれた道である。奥山峠からの道と同様、小ピークには巻き道がある。
461mの独標ピーク付近からは送電塔の巡視路として使われている。緩やかに高度を上げ、最後は巡視路と分かれて林の中に入ると、すぐに三角点(497.9m、点名は三郡山=みこおりやま)だった。点名のとおり、三郡山の山頂である。展望はなかった。
ついでに書いておくと、三郡山は山陰本線の山家(やまがと読むのだが、京都サンガにちなんで「さんが」に読み方を変えればどうかと思う)駅からハイキング的なコースがあるようだ。南の大原へと尾根伝いで抜けられるらしい。検索すると、山の上に人が住んでいた痕跡があるとの情報もある。
三郡山からは往路を峠まで戻り、東へ谷を下りる。植林の中である。事前情報では不明瞭な道とのことだったが、それほどではなかった。峠のすぐ下には苔むした石の道標があり、「右大原、左・・」とあった。やはり昔の道が廃道寸前になっているのだろう。その道標の下は人家だったらしく、石組みがたくさん残っていた。その間に道があるのだが、細く、また水が流れていて不明瞭だった。
そこを抜けると道は再び広く、明瞭になる。大きな石灯籠(常夜灯)があり、左奥、林の中に小さな社が見える。愛宕神社である。灯籠の横から水平道を使い社に行った。谷沿いの集落が廃村になり、神社も捨てられたのかもしれない。痛みが激しかった。
神社からかつての参道を下り、元の道に戻った。道は神社の下付近から車道である。それを歩き立木駅に出た。駅付近には家がまばらにあるだけだった。1時間に1本の山陰本線の電車に、ワンマンバスさながら整理券を取って乗った。
上の写真は三郡山の山頂である。下は愛宕神社の残された常夜灯である。
20230324三郡山山頂.jpg

20230324愛宕神社の常夜灯.jpg

2023/03/24


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