川北英隆のブログ

三国峠へ

生杉でバスを降りた。高島市営バスの針畑線は以前、百里ヶ岳への行きと、峰床山からの下山時に使ったことがある。今回と同様、乗客は僕一人だった。料金は220円、1時間乗るにもかかわらず京都市営バスより安い。そんな山だから楽しまないと申し訳ない。
生杉から西に歩く。僻地の村である。雪が多い地域だからか、標高450mくらいなのに、周囲の山はまだ芽吹いたばかり、桜の花も少し残っていた。朽木周辺ではイヌザクラが満開だったので、ひょっとして生杉でもと期待したのだが、まったく見かけなかった。
車道が山にさしかかり、若走路谷で北から南へと大きくカーブする箇所に、ナベクボ峠を経て三国峠へ登る登山口がある。一般の道を使うと山頂を往復する必要があるので、今回はこのバリエーションルートを使うことにした。
道は若走路谷に沿って付けられているのだが、杉の植林のため、その落ち葉でルートが不明確だった。沢も複数回渡る。印はあるのだが、わかりにくい。結局は沢の上部で間違ってしまったようで、最後はナベクボ峠を北側に見つつ、浅い沢の原頭部を少しトラバースした。
ナベクボ峠は高島トレイル上にある。石塔があった。峠から南へと尾根を上がる。最初は左手が杉、右手が落葉広葉樹の林だったが、そのうち落葉広葉樹の若葉一色になった。下草にイワカガミが咲いていた。
山頂部の地形は少し複雑で、小さなコブが少なくとも3つある。ルートは南の最高点を経て北に回り込む。最高点には三角点(776.1m、点名は三国峠)がある。少し展望もあり、百里ヶ岳が広葉樹の上に少し見えた。
三国峠は滋賀(近江)、福井(若狭)、京都(丹波)の国境である。山なのに峠と呼ばれたのは、近江と丹波、若狭を結ぶ道が山頂付近にあったからだろう。先の若走路谷に歴史が残っている。
なお山頂には京大の芦生演習林方面に下る道、つまり丹波への道もあるようだったが、これは通行禁止になっている。
上の写真は三国峠の山頂である。右奥に小さく百里ヶ岳がある。左には「立入禁止」の大きな説明書きがある。下は山頂からの百里ヶ岳を大きく撮ったものである。
20230429三国峠山頂.jpg

20230429三国峠からの百里ヶ岳.jpg

2023/04/29


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