川北英隆のブログ

常識的平均的ではダメなんや

先週、日経の夕刊に連載されていた又吉直樹「普通とは何か」は面白かった。今まで「またよし」なのか「またきち」なのか、読み方をよく知らなかったが。今もそうか。
その新聞を捨ててしまったので面白かった箇所を引用するのは難しい。ネットで検索すると次が出てきた。読んで面白かった箇所ではないものの、雰囲気は伝わってくる。
又吉さんは、「アホになる時だけ恥ずかしさから解放される」らしい。「あるべき姿から外れた人に向けるまなざしは優しい」とか「普通とズレた感覚を研ぎ澄まし、舞台と文章で笑いに変え続ける」とある。
そう、SNSやテレビやネットの情報に感化され、「それを真似るのが最高」と思ってはいけない。以前、ブログに書いたどうか忘れたが、複数名の優れた経営者に会うことができた。その感想は次のとおりである。
それぞれが個性を持っている。「優れた経営者」に1つの基準はない。だから「ハウツー本」を読んだところで、その文章や指摘は参考にならない。「優れた経営者」から、抽象的な意味での「優れた点」を見出すことだけが、優れた経営者へのヒントとなる。
又吉直樹「普通とは何か」に相通じるのだが、常識的な意味での普通から離れることに尽きると思う。「他人と同じことをしない」ことだろう。他人と少し違ったことをし、それが他人の心や感性に刺さるのなら、プロになれる。独自性、独創性と言い換えられる。芸人であれ、文人であれ、経営者であれ、この点は同じである。
「普通とは何か」にも書いてあったと記憶しているが、今の日本は平均値に集中しすぎている。だから「他人の心や感性に刺さるもの」に乏しい。無理に自分自身を他人に合わせる必要はない。他人に合わせるのは「無理をする」ことであり、「他人行儀」である。とすれば面白くない。
他人に合わせないのが、むしろ「普通」の生き方である。「猫を被らないほうがいい」と言えるかも。もちろん傍若無人な行動や言動も顰蹙ものだが。

2023/05/01


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