経ヶ岳からは西へと広い尾根が伸び、踏み跡もある。それに注意しつつ、左(南)に折れるように下る。急な箇所を経て、杉と広葉樹の混じった尾根を緩やかに下るようになる。
ほんの少し尾根から東に外れ、軽く登り直すとミゴ越だった。ミゴとは久多川(針畑川の大きな支流で稜線の西側を流れる川)から上がってくる谷の名である。
ミゴ越から登りになる。振り返ると、木の間から経ヶ岳がわずかに見える。イチゴ谷山の肩とも言うべき820m等高線の小ピークに出る。杉が消え、ブナ混じりの広葉樹林が広がり、北西に三国岳らしき姿がある。
この小ピークから稜線は東を向く。広葉樹林の中の登りが終わり、再び杉が出てくるとイチゴ谷山の山頂だった。イチゴ谷とは久多川から上がってくる谷の名である。針畑川からは平良(へら)谷が上がってきているので、ヘラ谷奥とも呼ばれている。山頂は林の中のため展望がなく、三角点(892.1m、点名は久多)だけがある。
11時半だったので昼食にしつつ、縦走を続けるか、イチゴ谷山から針畑川の平良へ下りるかどうか考えた。何とか13時台のバスに間に合いそうなので、縦走を続けることにした。なお平良へのルートは赤いテープが付けられていた。
イチゴ谷山から下り、登り返すと杉の老木があり、そこに「イチゴ谷山・中峰896m」のプレートがあった。少し西に折れて縦走を続けると、広葉樹林が目立つようになる。東には比良山系が、蓬莱山から武奈ヶ岳まで見えた。
緩やかな尾根を歩き、少し登ると独立標高点909mのピークに着く。イチゴ谷山最高峰という表示と、カラ滝山という表示とがあった。比良の展望も抜群である。今回の山歩きの中で一番春らしかったのは、イチゴ谷山からこのカラ滝山付近だった。
カラ滝山から南南東に向けて下る。鞍部には送電塔が2つある。865mの独立標高点ピークを越え、次に790mの等高線ピークを越える。この付近から下草としてユズリハの幼木が多くなる。下って少し登り返した730mの等高線ピーク付近は、ユズリハでルートが消えかけていた。
なおポイントには高島トレイルの標識があり、また所々に黄色いテープもあるので、正しく歩いているのかどうかの確認に使える。
独立標高点685mのピークを越えると稜線上の長い下りが始まる。モミやマツの大木も出てくる。北へと歩き、最後に尾根を外れ、左(西)に下るようになる。ルートがジグザグになると沢の音も聞こえる。その沢に出る直前に大きな倒木があり、適当に歩かざるをえなかった。このルートを登りに使う場合は要注意である。
沢沿いの道を300mほど歩き、小さな社を見てバス道に出る。思子淵神社は歩いてきた沢の北側にある。床鍋橋のバス停は500mほど車道を南へ下った箇所にある。帰りの朽木支所行きのバスには僕ともう2人の老人が乗った。少しは利用されているようだ。
上の写真は経ヶ岳である。下はカラ滝山山頂である。後ろに武奈ヶ岳から蓬莱山が見えている。
2023/05/04