猪の鼻ヶ岳からは日渓溜に戻らなかった。林道を西南西に下ると鎌掛(かいがけ)峠に出る。峠の南側には小さな溜池が2つ並んでいる。その先に猪の鼻ヶ岳が見えた。
峠からは県道を歩き、鎌掛の村へ向かう。音羽から続くシャクナゲ街道で、鎌掛の手前を東に入れば鎌掛谷シャクナゲ群落に至る。花は終わっていると、寄らなかった。
谷が広くなると鎌掛の東地区である。鎌掛城跡と正法寺山の案内板があった。寄らない予定だったが、コースが整備されているようなので気が変わった。
最初に鎌掛城跡を目指した。小さな沢を木橋で渡ると山屋敷跡だった。そこから城跡に登れるとの案内なのだが、植林の中のルートが不明瞭だった。少し山裾を北に歩く。すると「伝大手道」の表示があり、整備されたルートとなる。ジグザクに登り、尾根に出る。
鎖の付けられた急な登りもある。琵琶湖側の展望を得ながら、城山の山頂に着いた。372mの独標点である。鎌掛城の本丸があったとされる。
山頂から東に稜線をたどる。山頂のほんの少し南側にルートがある。稜線上はすぐに終わり、南斜面を下る。鈴鹿らしいブナ混じりの広葉樹林で、下草は背の低い笹だった。やがて溜池(口の堤池)が見えてくる。少し汁い箇所を越し、池の堰堤に出る。
堰堤を西側に渡り、谷に沿って下る。100m程度歩くと正法寺山裏登山口の表示がある。そこから植林の斜面を西に登る。踏み跡は不明瞭ながら、すぐに稜線に出る。
まずは稜線を南西にたどる。岩の間を抜け、一登りすると正法寺山の三角点(381.1m、点名は正伝寺)だった。広葉樹林の中だった。もう少し南に384mの独標があるのだが、行く必要なしとパスした。
三角点からは同じ道を戻り、さらに稜線を北西に歩いた。正伝寺頂上観音を経て、少し下ると正伝寺の境内に出る。300年経つという藤で有名な寺なのだが、残念ながら花の季節が終わっていた。
寺から県道を越えて鎌掛の村中に入る。すぐに八坂神社である。正伝寺は元々この神社の横にあったとされる。その八坂神社には立派な石の太鼓橋がある。やはり昔の日野地区の繁栄を象徴していた。
上の写真は正伝寺山の稜線から見た鎌掛城山、下は正法寺山の山頂である。
2023/06/04