川北英隆のブログ

小岳に寄り道して

八坂神社から西側は鎌掛(かいがけ)の村中である。村といっても、かつては甲賀と伊賀を結ぶ脇街道の宿場町だったとある。その街道の名は御代参街道(ごだいさんかいどう)というらしい。伊勢神宮から近江多賀大社への参詣に用いられたとウィキペディアにある。
実際、村中を歩いたところ、元旅籠だとか元紺屋だとかの新しい標識があった。鎌掛谷のシャクナゲとともに、日野町が観光振興のため設置したのだろう。その日野町の中心部自身、近江商人発祥の地の1つであり、やはり街道(こちらは日野商人街道)沿いに古い家並みが残っている。
鎌掛村の元街道の途中で左に折れ、西側を流れる南砂川沿いに出た。水田の向こうに鎌掛の家並みと正伝寺山、鎌掛城山、猪の鼻ヶ岳が見えた(6/1の写真)。さらに奥には綿向山が大きかった。
南砂川沿いの車道を北西に歩くと、鎌掛村落の外れにある日吉神社に出る。こんもりとした森があるので、その北側を歩き、神社に立ち寄った。説明書きによると、近くの小岳の山頂とともに、日吉山王社が分祀されたとある。日吉や山王の名の神社は、比叡山の麓にある日吉大社を総本社としている。
神社の北側の道を南砂川まで戻ると、正面に小岳が見えていた。神社からの道を直進し、小岳を目指す。ホトトギスがしきりと鳴いていた。今シーズン初めてだった。
車道が小さな峠に差し掛かる。両側が切通しになっていて、そこに鉄の梯子が設置されている。小岳への登り道である。
南側の鉄梯子を上る。あまり使われておらず、草や木の枝に覆われた箇所もある。そんな中に橙色のキイチゴを見つけた。名前は不明である。というかキイチゴの分類は難しいとある。とにかくときどき見かける種類だった。食べると完熟で美味。残念ながらたくさんはなかった。
梯子を登りきり、後は雑然とした林の中を歩く。しっかりとした踏み跡がある。緩やかな登りながら、途中から野良竹林の先端部分に出る。その先が山頂で、最後は斜面を適当に歩くしかなかった。
山頂は林の中で、展望はない。日吉山王社らしきものも見当たらなかった。鎌掛の生活を支えてきた山も手入れが放棄されたのだろう。三角点(302.8m、点名は小岳)だけがあった。
山頂からは往路を戻った。車道に下り、峠を西側に越える。県道にぶつかるので、そこからは北へと日野駅を目指す。車道の横に歩道はあるものの、小岳から日野駅までは5キロと長い。
日野駅からは近江鉄道ではなく、バスで近江八幡まで戻った。渋滞に遭ったのはすでに書いたとおりである。
上の写真は小岳の山頂である。下は美味だったキイチゴである。
20230605小岳山頂.jpg

20230605キイチゴ.jpg

2023/06/07


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