川北英隆のブログ

株式大衆化に必須な一手-2

日本の株式を1株単位で買えるようにしよう。そうすれば誰もが気軽に、損しても「ままええか」と株式投資に最初の一歩を踏み出せる。20万円、50万円・・、そんな大金が必要だから、株式投資への一歩に躊躇する。思い出せば、僕もそうだった。
1万円、2万円で株式投資に踏み出せれば、10社、20社の株式をすぐに持てる。すると投資理論が推奨する(正しい推奨である)分散投資も簡単である。
投資した企業の株価があいにく下落しても、その企業が素晴らしいことに変わりない場合、買い増しも可能となる。その結果、時間分散効果も得られる。
ここまで書けば、「別に1株単位で買えなくても、投資信託があるではないか」との反論もあろう。しかし、この反論に反論させてもらうと、「では、どの投資信託を買えばいいのか、見せてちょうだいな」となる。
新NISAは1000の投資信託を選んだらしい。さらに追加もあるとか。「でもね、そんな1000ものリストを見せられても目眩がするだけ、ヒッチコックみたい」である。証券会社に見立ててもらえればともなろうが、多くの証券会社の行状を見るにつけ、また仕組債を勧めてきた前歴からして、信頼性に欠如する。
百歩譲って、投資信託を選ぶか、自分でこつこつと1株単位でポートフォリオを作るか、この選択肢を個人投資家に与えるのが本筋である。
上場企業側が、たとえば株価1000円の企業が、そんなはした金で株主になられ、株主総会に出席されたら困ると主張するのであれば、その企業は10株を1株に、もしくは100株を1株にまとめ直せばいい。そうすれば個人株主が減る。
現在、東証は上場企業に対し、50万円未満で株式投資できるように株式分割してほしいと要請している。つまり株価1万円の企業は1株を2株にしろ、そうすると株価は5000円になるから、最低単位の100株を買うと50万円になり、投資しやすくなるとの理屈である。しかし昨日書いたように、キーエンスをはじめとして、要請は要請と割り切っている企業も多い。それに50万円なんて、昨日書いたように高級料亭である。
要請なんて、回りくどすぎるのである。それよりも東証から金融庁に申し入れ、単元株なんて制度を廃止し、1株から株式を買えるようにするのが本筋である。
それとも細かな注文が増え、事務コストがかさむため、証券会社が嫌がるのかな。そうだとすれば、それは証券会社が顧客本位ではないとの証しでしかない。コストがかかるのであれば、きちんとした手数料を徴収するだけのことである。
この点は「安かろう、悪かろう」と題して別途、書いてみたいと思う。

2023/07/21


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