日米の大企業に少なくとも1社ずつ「困ったちゃん」がいる。「顧客を困らせるのが大好き」と言うべきか、自己中心的と言うべきか。「どこのどいつや」と問われたら・・・。
1社は前にも書いたと思う真っ黒ソフト違う、マイクロソフトである。自分のクラウドという領地の中になんでも飲み込もうという、ブラックホールみたいな企業である。
僕がエクセルやワードで作ったファイルを保存しようとすると、デフォルトがいつの間にかマイクロちゃんのクラウドになっていた。オプション機能を使い、保存先のデフォルトをクラウド以外に変更しようとするのだが、それほど簡単ではないようだ。悪戦苦闘の気もないので真剣には試みていない。当面、ファイルの最初の保管先に注意深くならざるをえない。
要するに使い勝手の悪いソフトである。少し高度なことをする場合、他に代替するソフトも少ないからマイクロちゃんに頼るため、少々の意地悪を受けた程度では離れられない。これって優越的地位の乱用ではないのか。
ファイルの保管はともかく、オンライン会議ソフトでのマイクロちゃんは最悪に近い。オフィス365を使っていると、性能が高く有料のTeamsが付属しているのかもしれないが(調べていない)、僕が使っているのはオフィス365ではない。友人Oに言わせると、オフィス365はうざいソフトらしくて、結局のところ古いオフィスに戻ったとか。ちなみに彼はシステムの専門家であり、最近の趣味は最速のパソコンを組み立てることだとか。
Teamsを使う企業や組織が増えているのだが、そのオンライン会議に招待される度にいろいろと問題が生じる。無料のTeamsをダウンロードし、招待された会議に仕方なしに参加するのだが、その度にいろんな要請をされる。セキュリティが厳格なのかもしれないが、それにしても宮沢賢治的には「注文の多いソフト」である。
これと比較して、他のオンライン会議ソフトはすんなりしている。Zoomは当然として、GoogleMeetやWebExも使いやすい。使った感想では、この3つに大きな優劣はない。強いて比較すれば、WebExが一番好きかも。
日本の1社は某「しみ友銀行」である。以前にVポイントのややこしさを書いた。その時のVポイントを使い切った後、今後それを貯めようとか、使おうとかの気分になれない。しょうもない金額のため貴重な時間を使うのは、無駄以外の何物でもない。
友人Oが、しみ友銀行のインターネットバンキングを使おうとしたところ、固定電話や携帯電話やらの登録になり、えらく煩雑な処理を要求され、結局はログインできなかったとか。システムリテラシーの高い友人でもログインできないシステムって何なのか。銀行側の責任を問われないよう、システムのハードルを上げているだけだと思える。
30年ほど前、オプション理論でノーベル経済学賞を受賞したマートンが講演で言った言葉を思い出す。使いやすいシステムほど、裏側では精緻なプログラムが組まれているのだと。しみ友銀行のシステムは、そういう意味では未熟極まりない。もっとも、他のメガ銀行のシステムがマートンの基準に達しているとは到底思えないが。
2023/07/10