友人Oと話していると、彼が外資系アセットマネジメント会社の日本人トップだった時、微分ができない東大工学部卒業生に出会ったとか。そういうのが今の日本の教育では出てきやすい。
その外資系アセットマネジメント会社は数値分析を多用していた。少し事情を知っていれば納得してもらえるだろうが、投資の世界では微分をして答えを出す場合が多い。
Oが東大工学部の新卒かそれに近い部下のお姉ちゃんに、そんな仕事の一部を、1日4、5時間で終わるルーティンワークとしてさせていたらしい。Oは定時出勤、定時退社を心がけていたため、最初気づかなかったらしいが、そのお姉ちゃん、土日出勤も含めて月に200時間以上の残業を続けていたという。そんな状態がずっと続くと労基法違反で摘発されると人事部から注意され、はじめて実態を知ったらしい。
そこで微分の問題を出したところ、お姉ちゃん、すらすら解けるのに、その意味がわかってなかったとか。だから仕事を与えられたとして、何をどうしたらいいのか戸惑う。Oがお姉ちゃんに質問したところ、受験の数学は暗記で解いてきたとか。このため自分で問題を設定し、その問題に微分を使えばいいとの発想にたどりつかない。
今の大学受験は暗記脳を発達させる。クイズ脳でもある。子供のころから塾で鍛えればすごい脳を作れたりする。そんな脳は単純な問題や穴埋めにはすばやく答えられる。東大にも入れる。今のAIに近い。
しかし問題が複雑になればどうだろうか。ましてや社会人として必要な問題設定というか課題設定ができない。社会人になる頃、脳の発達が止まるから、社会に役立つ者には育たない。研究活溌なんて期待するだけ無駄、夢物語である。
東大卒業生の多くをAIで代替できる時代がやってきた。日本の受験を変えなければダメだろう。AI時代に、ぼろっちい東大卒業生を輩出しても、ゴミを出すに近い。
それにしても微分の意味も知らないで東大工学部を卒業できるなんて。大学はどんな教育をしているのか。手に余るから適当に単位を与え、卒業させたのだろうか。世の中、何を信じていいものやら。これもAIの作文と同じかな。
2023/07/11