先日、某所で会議があった。その資料によると、AIに取って代わられる業務の中に法務と医療が入っていた。消える率が平均値よりも上である(ゴールドマン・サックス調べとのこと)。
何故なのか。法務は簡単である。条文、解釈、判例がデータベースとしてコンピュータの中に取り入れられれば、その単純な検索と、それが適用された場合の結果を簡単に調べられる。AIを組み入れれば、もう少し複雑なことも可能だろう。そこらの弁護士などに頼むよりも正確かもしれない。
医者もそうである。町医者程度の問診であれば、AIがやってくれる。「誤診が・・」と心配する向きもあろうが、町医者が誤診した例はいくらでもある。誤診かもと思えば、ちゃんとした病院で診てもらうべきである。
検査は大きな病院に行く必要がある。しかし検査結果の分析も、基本的なものはAIで十分である。専門医がそれをチェックすればいい。
もちろん弁護士や医師という職業がなくなるわけでない。単純な部分からAIに置き換わっていく。だから弁護士や医師は記憶だけの世界から脱しなければならない。加えてインターネットとAIを活用できるようにして、その上に弁護士や医師としての専門知識と判断能力を積み重ねなければならない。
つまり、今の司法試験と医師の国家試験に受かっただけでは不十分である。単純なことしかできないのであれば、先のブログに登場した東大工学部卒の姉ちゃんのように仕事を失う。また常に技術の流れに遅れないことも必要である。
この点、巷の弁護士や医師を守っているのは昔ながらの制度である。AIの発展を受けて制度が転換すれば、冒頭で述べたように、職か信頼かを失う弁護士や医師が出てくるのは目に見えている。
逆に言えば、弁護士や医師を目指すくらいの能力があるのなら、職業の選択肢は他にもいろいろとあろう。流行を追わず、時代の流れをじっくりと読み、職を選択することが重要となる。
2023/07/12