中央分水嶺高島トレイルのうち、残していた主要部分を歩いた。木地山峠から行者山までである。木地山峠へは上根来(ねごり)から入った。行者山からは麻生に下り、朽木に出た。
これで高島トレイルの主要なピークへの訪問は完了である。ただし高島トレイルを形成する中央分水嶺のうち、4箇所が未踏である。西から挙げると、ナベクボ峠から百里新道分岐、行者山から途中谷(ただしこの間、高島トレイルが中央分水嶺を忠実にたどっているわけでない)、三重岳から大日尾根分岐、黒河峠から乗鞍岳である。
このうち、ナベクボ峠から百里ヶ岳は訪問に値するかなと思っている。三重岳から大日尾根分岐も行きたいのだが、どう新味を加えるのかが難しい。
当日、湖西線の今津からJRバスに乗り、東小浜駅に近い遠敷(おにゅう)で下りた。予約しておいたタクシーに乗り、上根来に入る。4020円だった。上根来は廃村になっているが、無人の宿泊施設だけが残っている。鯖街道の峠越えの村なので、観光客が来るのだろう。
上根来から東側の谷に入り、木地山峠を目指す。途中まで林道である。林道終点の手前で沢を渡り、山道に入る。入口の少し先に崩れた箇所がある。それを高巻き、再びに沢沿いに歩く。尾根に取り付くようになると、かつての歩きやすい道になり、木地山峠に着く。
木地山峠には2018年、百里ヶ岳を歩いた時に通り、峠から東へ、朽木の木地山へ下りた。今回は峠から北に上がる。高島トレイルとしてそれなりに手入れされている。登りきれば桜谷山(825m)である。山頂の東側の稜線には木がなく、百里ヶ岳から三国、朽木の山々、伊吹などの琵琶湖の山々、三重岳と三十三間山、日本海などが見える。
その後はブナなどの落葉広葉樹の美しい稜線上を東へ向かう。軽くアップダウンを繰り返し、駒ケ岳に着く。駒ケ岳の三角点(780.1m、点名は寺山)は縦走路から少し北に入った岩の上にある。付近から琵琶湖方面の展望がいい。隠れた名峰だろう。
駒ケ岳から中央分水嶺の稜線は南を向く。アップダウンの高度差が大きくなったように感じたのは疲れのせいか。水草の生えた駒ヶ池を過ぎる。744mの独立標高点付近から杉の植林が目立つようになる。トリカブトが咲いていた。
次の693mのピークから南東に大きく下る。迷いやすい箇所がある。標高450m付近まで下りきれば横谷峠である。車道が横切っている。
峠から行者山まではアップダウンをともないながらの長い登りである。道は明瞭ながら、植林が多く、蜘蛛の巣もあり、あまり楽しい登りではない。途中でサルの群れを見た。登り切ると行者山の北側の肩である。三角点(586.8m、点名=からみ谷)は縦走路から200mほど離れている。付近に倒木が多い。
行者山からは高島トレイルを離れ、南へ下った。尾根を確認しつつ、植林の中を下る。やがて薄い踏み跡が出てくる。山頂から高度差50m少し下った地点で東尾根に入るのを避ければ、次第に踏み跡が明瞭になる。小さな社を過ぎ、最後に南東に下れば獣避けがある。鎖とカンヌキを外して出れば車道である。後は朽木支所へと歩くだけである。
上根来から歩き始めたのが8時35分、朽木のバス停に着いたのが16時25分だった。
上の写真は稜線に続くブナ林、下はトリカブトである。
2023/10/04