川北英隆のブログ

信じる者を救う株式投資

個人として成果を生む株式投資の方法とはどのようなものか。それは経済全体の成長を信じ、その成長に寄与する企業を選び出し、その株式を長期間保有することである。もちろん、その企業に対する評価が正しかったかどうかの定期的な判定は必要なのだが。
企業が稼いだ利益(ここでは事業からの利益を直接反映する営業利益)と株価との関係を図示しておく。今までブログにアップしてことがないと思うが、アップしていたとしても、ここでの図は足元のデータまで加えた最新バージョンである。
この図を見て一目瞭然なのは、株価と利益が連動していることである。連動せず、株価が利益から大きく上方に離れた時期がある。それは1980年代後半に生じた日本の株価・地価のバブルの時期である。しかし上方乖離は長続きせず、2000年代前半にかけて利益水準に引き戻された。
図では対数目盛を使っているから、折れ線の傾きが上昇率を表している。傾きが大きいほど伸び率が高く、緩やかなら伸び率が低いことになる。利益は国内での利益である。海外で稼ぐ企業は、この図よりも株価は高い位置に到達しているだろう。
この図からの結論として、利益が伸びてきたことは、経済全体の成長を反映しているわけから、将来において経済が成長するのなら、株価が上昇することになる。何かのショックで経済活動が大きく低下したとしても、経済がいずれショックから立ち直ると信じるのであれば(そして日本経済はいくつもの試練を乗り越えて成長してきた)、株価は上がる。ショックでうろたえ、株式を売ることはない。逆に、ショックの度合いを見極め、株式を買い増すのが理想となる。
とはいえ、すべての企業の株式が上がるわけではない。衰退する産業がある。何らかの理由で左前になる企業がある。ショックがその衰退や左前を加速するかもしれない。
経済成長を信じるものが株式投資で救われる。成長を信じ、長期に株式を保有することである。とはいえ、すべての企業を信じてはいけない。投資家を救ってくれる企業かどうかを見極める必要がある。
20231102株価と営業利益.png

2023/11/02


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