1/16に「危なっかしい日本株」と書き、翌1/17に「日経平均の窓が心配」と書いた。1/9の週の投資家別の売買状況が公表されたので調べたところ、実際に買っていたのは海外投資家であり、証券会社の自己勘定だった。個人は売り越していた。
1/9の週の金額を書いておくと、個人(現金)8163億円の売り越し、個人(信用取引)2531億円の売り越し、海外9557億円の買い越し、証券会社自己2994億円の買い越しである。
ひとまず個人投資家全体としては被害を受ける心配がなくなった。とはいえ個人の内訳として、NISA関係の売買は分からない。口座を開設し、慌てて買った投資家もいたのではなかろうか。
思うに、日本の株式市場は海外投資家にとって小さな市場となった。2023年、日本の国内総生産(GDP)がドイツに抜かれ、4位になったことに象徴されるように、日本経済にはかつての大きさがない。このため、海外投資家の資金が大挙して日本に入れば、たちまちにして日本株が上がる。当然、逆も生じる。
日本企業が買収の対象になることもますます多くなる。1/9の週に日本株が大きな窓を開けて上昇したことを手放しで喜んでいいのかどうか。市場関係者も企業も真剣に考える必要があろう。
2024/01/20