自民党のバカバカしいニュースが続いている。そんな中、「囲碁の世界は安い日本の象徴だ」と思えるニュースに目がいった。
囲碁界の総本山、日本棋院の発表によると、昨年の賞金・対局料ランキングのトップは1億1972万円だったとか。この金額は「そうかな」と思った。しかし、女性の棋士が上位に入ったとかで、その金額が書いてあった。4位2838万円、8位1149万円だそうだ。もう一度読み返したくらい安い。というのも、「そしたら上位10人に入らないと1000万円に届かないのかな」と思ったから。
年収1000万円は、サラリーマンの世界では目標かもしれない。国立大学の教授職はその程度の給与である。
しかしサラリーマンの年収額は、1980年代のバブルの頃、少し努力すれば1000万円軽く超えた。今なら、大企業の社外取締役の場合、大した役割を果たさなくても名誉職としてもらえそうな金額である。それを、才能のある棋士が、たかだか1000万円がほぼ上限に近いとは。そういう驚きである。
しかも自民党の議員は、1000万円程度の資金を裏金として悠々と手にしている。
将棋の世界がどうなっているのか知らないが、中国や韓国と戦う囲碁の世界の年収がこんなに低くては、「そら勝てへんやん」である。囲碁や将棋の世界に、天才、秀才が大挙して進むべきとは思っていない。しかし、その程度の価値しか認めてもらえないようではとも思う。それなら、同じような日本の先端部門の、たとえば研究開発のお先は真っ暗だろう。
日本は結果の平等を尊んできた。日本型の共産主義、社会主義と揶揄されたこともあった。しかしこれは望ましくない。もちろん僕として、格差が大きくなることを望んではいないものの、努力した者がほとんど報われないのなら、「サボったほうがええやん」となり(僕ならそうする)、社会は没落していく。
囲碁の棋士の多くが報われない社会って、今の「のほほんとした日本」の象徴かもしれない。どんどん世界の進歩から取り残されるような気がする。
2024/01/22