寒い日が続き、25日の朝は京都市内の道路にも薄っすらと雪が積もった。山も白い。仕方ないので南の山を歩いた。選んだのは和泉山脈の西端、紀淡海峡のかけての低山である。
和泉山脈は大阪府と和歌山県の境を形成している。大阪と奈良の境に大きい葛城山、金剛山の続きでもある。その和泉山脈には名のある山もいくつか残っているのだが、京都からは遠い。時間的に早いアプローチの方法を検索すると、大阪市内経由になってしまう。
今回も阪急で淡路に出て、そこで天下茶屋行きに乗り換え、終点で南海の和歌山市行きに乗り換える。今回、みさき公園で降りて歩いてもよかったのだが、多奈川線にうまく接続していたので、次の深日(ふけ)まで行った。正確には深日町駅である。京都から2時間はかかる。
深日は大阪府岬町にある。簡略に書くと、そこから南西に歩き、和歌山市の加太(かだ)港まで、いくつかの山を越えつつ歩き、ついでに和泉山脈のまさに西の端に位置する山、鉢巻山を歩く計画とした。
どういう山なのかを記しておくと、学文字(がくもんじ)山、東山、甲山、四国山、高森山、そして鉢巻山である。一番高いのは高森山で284.5m、東山と鉢巻山は100m台である。
そんな低山に道があるのかというところだが、多くはハイキングコースになっている。車でアプローチできる山もある。かえってそんな山は歩いて登られなくなりつつあるのだろう、かつて里から付けられていた道が少し荒れているうえに、峠がゴミ捨て場にもなっている。
全般的にウバメガシの林が特徴である。この常緑の木の中を歩いていると、南の山に来た気にある。展望は多くなく、人工的な切り開きに頼っている。少し雲の多い一日ながら、最終目的地である加太に近くなると海が間近に見えた。眼下には港、少し離れて友ヶ島、淡路島、和歌山市内などが印象に残った。
これに対して山並はというと、まさにさざ波程度でしかない。次に登るピークを同定したいと思っても、同じような高さが続くため、どれがどれなのか。その中で、さすがに高森山はわかった。その山頂からの海の展望もよかった。
深日町駅を出たのが8時10分、加太駅に着いたのが16時5分だった。低山なのでもう少し早く終る予定だったのだが、小さなアップダウンが多かった。夜明け前に家を出て、帰った頃にはとっぷりと日が暮れていた。
写真、上は下山して加太へと歩く途中で見た友ヶ島である。後ろに淡路島がある。下は甲山からの和歌山市方面、手前の工場群は日本製鉄のものである。
2024/01/29