川北英隆のブログ

魚臭いと人間臭い

最近、食べ物関係の番組が多い。気楽に見られるので時たま見ていると、気になる表現に出くわす。「魚臭さを・・」である。気持ちはわかるが、「魚臭さが嫌なら食べるなや」とか、「魚の方が人間臭いなと言うてるで」とか思ってしまう。
食べ物の臭いに対する好き嫌いは様々ある。セロリが嫌いというのが典型例だろう。そんなう評価に出くわすと、「あの匂いというか香りがいいのに」といつも思う。要するに好き嫌いとは相対性が強い。とはいえ健康に対する防衛本能も働くのだろう。
ハエの立場からすれば、魚臭さは「美味そう」に違いない。魚臭くない魚は「まだ熟れてないで」かもと思える。人間にとっては魚臭さが強くなると、「ひょっして腐りかけでは」と感じてしまうところだが。
何故、動物の肉に対して、「牛臭い」「豚臭い」「鶏臭い」とは、あまり表現しないのか。多分だが、動物の肉は比較的足が遅いからだろう。腐る寸前が一番美味と、シカの肉の話題になった時、山への造詣の深い伯父さんが感想を述べていた。
とすれば、エイリアンが、たとえばプレデターが地球を襲い、人狩りをした時には、「ヒト臭い」とは言わないのかもしれない。臭くなくて良かったようでいて、かえって不運なのかな。
最後に、ペットである。僕は犬の体臭が好きでない。だからいつも洗濯してもらっている犬に好意を持つ。魚とは別の意味で、「犬臭くないな」だろう。一方、猫の体臭は気にならない。いつも自分で体を清潔にしているから、いわゆる臭さがないのか、それとも自由気ままに歩き回り、太陽の光を体いっぱいに浴びているからなのか。それと同時に猫は大地の香りもする。

2024/02/11


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