パタゴニアを旅行した。この地名知ったのはいつ頃だったか、記憶に薄い。少なくとも30年前にパタゴニア製の、当時珍しかったフリースを買っている。だから、少なくともその時にはパタゴニアへの強い意識があった。
今では地理的なパタゴニアは相当程度有名となった。たとえパタゴニアを知っていなくとも、あの歴史上のマゼランが大西洋から太平洋へと越えた地点こそパタゴニアの南端だと言えば、必ず「ああそうか」となるはずだ。要するに南アメリカ大陸南部の幅の細い地域がパタゴニアであり、チリとアルゼンチンの国境地帯である。
どう入るのか。日本から見て地球の裏側だから、ドバイなどの中東経由か、アメリカもしくはメキシコ経由かがある。日本からチリのサンチャゴもしくはアルゼンチンのブエノスアイレスへの直行便があればいいのだが、それはない。今の飛行機ではそれだけの距離を飛べないらしい。
今回はメキシコシティ経由でサンチャゴに入り、そこからパタゴニアの入口へと飛んだ。帰りはパタゴニアの南端からブエノスアイレスに飛び、サンチャゴ、メキシコシティを経由した。行きは2日、帰りは2日半を移動に費やした。
パタゴニアの見どころはいくつもある。最も有名なのは山岳風景だろう。中でも必見はフィッツロイとパイネである。氷河によって切り出された墓標のような巨大な岩峰(正確には岩峰群)をイメージすればいい。2つ目はその山岳に広がる氷河である。そして3つ目に、マゼランが帆船で通った大西洋と太平洋を結ぶフィヨルドの回路である。しかも、パタゴニアの風景を彩るのが豊かな南極ブナの森林であることを、急いで付け加えておこう。
これらを見るため、チリ側のパタゴニアの入口から入り、マゼランが通ったフィヨルドの海峡へと向けてバスで移動した。計測していないが、バスでの移動距離は3000キロくらいあったのではなかろうか。ただしパタゴニアは広い。結局は点と点をたどっただけである。
ラテン系民族の暮らす、少しいい加減でいて明るい雰囲気がパタゴニアを覆い、そこに多くの動物も活動している。今まで経験しなかった雰囲気だったと思う。
ただし世界的に有名になっただけに観光地化されつつあるのが残念だった。もう少し早い段階で訪れるべきだったと反省している。
2024/02/26