カラファテのホテルに連泊し、翌日はフィッツ・ロイと並んで有名なパイネ(Paine)山群を目指した。しかしフィッツ・ロイを見て気合が少し抜けてしまったのか、展望は「ばっちし」でなかった。
カラファテからは40号線に戻り、それを南下する。その国道は途中で西に曲がり、チリ国境に接近する。一番接近した付近の町、カンチャ・カレーラ(Cancha Carrera)から西に折れ、チリに入る。2回目の、陸路での国境越えだった。そんなに面倒なことはない。
アルゼンチンとチリのイミグレーションと税関は、それぞれ国境の手前にある。実際の国境線は面白くて、アルゼンチン側は未舗装、チリ側に入った瞬間に舗装だった。
しかも国境は標高250mくらいで、大西洋と太平洋の分水嶺になっている。パイネを含むアンデス山脈はもっと西側にあるのだが、そこに降った雨水の多くはマゼラン海峡に注ぐ。マゼラン海峡が大西洋と太平洋を結んでいなければ、分水嶺はアンデス山脈だったのだろうと思える。
チリへと国境を越えてすぐの小さな町、セロ・カスティージョ(Cerro Castillo)に我々は泊まった。当初の旅行会社の計画では、パイネ国立公園の中にホテル泊を計画していたらしいのだが、満室で予約できなかったとか。ホテルからパイネの入口まで50キロくらい離れている。
そのホテルに荷物を置き、昼食の後、パイネの入口までバスで出向いた。まあまあ晴れていたのでパイネの針峰群の展望が、ちょこっとながら得られた。
パイネの標高に関しては諸説あり、最高峰は3050mが一般的なようで、現地の地図にもそうなっていた。しかしウィキペディアによると2884mという説が出ているとか。いずれにしても3000mあるかないかの針峰群がパイネである。フィッツ・ロイよりも明らかに背が低い。
その峰々を西側から見た後、高度差15mの滝と動物(グアナコ)を見つつホテルに戻った。翌日がどうなるのか。天気は悪くなるようだった。
一番上の写真はサミエント湖からのパイネ山群である。手前の三角形の大きな山はアルミランテ・ニエト(Almirante Nieto)、その右横から3つの針峰が続き、北、中央、南の(パイネ)タワーと呼ばれている。その右のギザギザのピークはPeineta(約すと、櫛)である。
次の写真はもう少し広角に見たものである。左端に映っているのが多分、最高峰のパイネ・グランデ(Paine Grande)だろうと思う。翌日、全貌を間近に観ることが難しかったため、確認できていない。
3つ目はパイネ川の落差15mの滝というか激流である。水量が多いため、滝とはあまり思えない。
2024/03/08