川北英隆のブログ

日銀と普通預金金利

昨日、日本銀行が金融政策を普通の状態に近づけた。政策金利(銀行間取引金利の翌日物=無担保コールレート・オーバーナイト物)を0%から0.1%の範囲とした。これにより日銀当座預金に対しマイナス0.1%を付利する、つまり0.1%の金利を徴収する政策が消える。
ようやく日本経済も欧米各国と足並みというか頭を揃え、海面上に浮上してきたことになる。背景には物価の上昇と賃金の引き上げがある。
ただし物価は円安による側面が大きい。その効果が剥げた後、どうなるのかが今後の焦点である。
賃上げは政府の半ば命令に産業界が従った。労働組合の要求が満額満たされる回答が多かったこと、さらには要求額を上回る例(代表的には日本製鉄)もあったことからすると、企業は政府の要請を横目で睨み、「清水の舞台から飛び上がった」のだろう。
金融の世界に話を戻すと、銀行も普通預金金利を引き上げるらしい。ニュースによると、大手の銀行は0.001%から0.02%になるとか。これを某日経新聞は「金利のある世界」と書いているが、書きすぎだろう。
100万円の普通預金に対し、0.001%なら1年間の利息は(税金無しとして)10円である。それが0.02%になれば、ようやく200円である。ガキの1日の小遣い程度か。
もう少し普通の金利にしてほしいものだ。そう思い、少しでもましな銀行がないかと探してみた。個人の預金者に対してサービスの悪くなっている大手の銀行とおさらばするチャンスでもある。
昨日の日銀の決定を反映する前ながら、次の例が出てきた(ダイヤモンド・オンラインのサイトによる)。以下、聞き慣れないかもしれない銀行名が登場するので、「潰れへんのかな」との疑いも出てくる。そこで書いておくと、普通預金であれば1000万円まで預金保険の対象となり、返ってくる。
まず、東京スター銀行は給与や年金の受取口座にするとの条件はあるものの、0.25%になるとか。これなら100万円で年間2500円になる。ただし東京に住んでいないと口座が設定できないかもしれない。
GMOあおぞらネット銀行は、証券口座の開設という条件が付いているようだが、0.11%だとか。100万円で1100円である。
SBI新生銀行は、証券口座の開設などの条件付きで0.1%である。100万円で1000円の利息である。実は以前から僕も使っている。この銀行の回し者ではなく、近くに支店があったのが大きな理由である。今はネットで口座が作れるようだが。
SBI新生銀行を使っているので、もう少し説明しておくと、預金金額などによるものの、ネットでの送金も回数限定で無料になる。現金の出し入れはセブン銀行のATMでできる。つまり支店が近くになくても用事がすんでしまう。
楽天銀行もSBI新生銀行と同じようなサービスを提供している。ここも0.1%の金利が付く。
その他、いろいろあるので、とりあえず普通預金金利比較で検索するのがお勧めである。その後、お気に入りの銀行のサイトに入ればいい。

2024/03/20


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