宝塚でJR福知山線の三田を過ぎると、周囲の風景に変化が表れた。少し高い山の木々が白い。前夜からの雲が木々に氷となって付着したようだ。「この分では今日歩くのが低山とはいえ、春の気配が見られないな」と思った。
加古川線の滝駅で降りた。この駅は西脇市ではなく、加東市にある。小さな物置風の無人駅ながら、ICカードが使える。改札は線路の東側にあるから、鳴尾山とは反対側である。駅前の県道を70mほど北に歩き、細い車道に入って線路を越す。そのまま道なりに歩くと、右手に鳴尾山が見え始める。
じきに大きな車道にぶつかるので、それを北へ歩く。道沿いには工場が目立つ。小さな峠を越えると西脇市に戻る。市境は送電線の下であり、工場の横でもある。100mほど進むと東に入る道がある。これが登山口なのだが、表示はない。
車道から東へ入った道はすぐに未舗装になり、南に折れて送電塔に達する。鉄塔から先は送電線用の巡視路である。道は東に曲がり、登山道らしくなって下っていく。
水のない小さな谷を過ぎ、緩く登り始めるのだが、その地点で右に注意し、尾根に取り付かないといけない。道はしっかりしているので、間違えばすぐに気づく。
ジグザク道を登り、稜線に出る。北へと歩き、谷を巻くようにしてもう一度登ると鳴尾山の南北の主稜線に出る。そこに分岐がある。
山頂は分岐を南に登る。傾斜が緩やかになると、左手(東)に踏み跡とテープとがある。踏み跡に入り、灌木を少しかき分けると山頂だった。展望はなく、三角点(236.1m、点名は啼山)がある。
山頂を確認して分岐に戻り、そのまま稜線を北に向かった。稜線は小さなピークが多く、かつ地図で見るよりも尖っている。しかも最初のピークは下草がシダで、霜が解けていたため靴が濡れた。
地形図で岩場の印のあるピーク付近からは西脇の市街地が真下に見えた。平地と川と丘が点在するいい土地である。
そのピークから道は少しずつ向きを西に変えて下る。堀切跡、石垣跡と表示された大きなギャップを登ると鳴尾山城跡だった。愛宕神社と書かれた小さな社がある。展望は思ったほどでない。
城趾から南に下る。水場跡(水はなかった)を過ぎ、谷に入るが、すぐに開けた場所に出る。西脇の水道施設がある。ここが鳴尾山の登山口なのだが、目立った標識はなかった。
上の写真は滝駅の少し先から見た鳴尾山である。中央の丸いピークが山頂である。下は三角点のある鳴尾山頂である。
2024/03/23