今年の春の天候は不順だと感じている。しかも新年度に入って、いろいろ用事を抱えてしまったから、山歩きもままならない。ようやく「明日の天気は大丈夫」との確信を得て、兵庫県丹波市柏原(かいばら)の向山(569m)を歩くことにした。
最近、福知山線を使い、篠山より先の山を歩いている。近場の山が少なくなったために新たな山の金脈を探したところ、意外にも篠山の先に多くの山があることを発見した。その1つが今回の向山である。その向山から南に歩けば、いくつかの山を訪問できる。
しかもこれは歩きながら知ったのだが、今回の縦走路は中央分水嶺になっている。南側は加古川水系として瀬戸内海に注ぐ。北側は由良川になって日本海に注ぐ。
行き方はというと、京都からだといつものように、まず阪急で十三経由、宝塚に出る。そこで福知山線に乗り換え、さらに篠山口で福知山行きに乗り換える。特急なら1本で福知山まで行くが、山歩き用にダイヤは組まれていない。しかも今回の向山の最寄り駅は柏原の次の石生(いそう)であり、特急は停まらない。京都からだと3時間以上かかる。
石生駅の東口に出て、東へ観音堂登山口に向かう。地元の人気のハイキングコースのようだった。
登山口からは、まず向山を目指した。思った以上のアップダウンがある。途中、ヒカゲツツジのうす黄色い花が満開だった。今回出会った登山者はこれを目指しているのだろう。その他、ミツバツツジ、タムシバ(多分)、ヤマザクラが咲いていた。
向山は三角点よりも奥のピークのほうが高い。岩場のピーク(蛙子峰)を越してすぐの地点で向山の稜線から西に折れ、清水山(545m)に登った。この付近までがハイキングコースである。
清水山を往復して稜線に戻り、南へと続く「分水堺の径」のコースに入る。三角点ピークを2つ越し、譲葉山(594m)に到達する。当日の最高標高点である。城跡らしいが、植林が多く、春の山らしくない。
その後、かつて近隣の交易路が越していた鐘ヶ坂峠を目指して下るだけなのだが、小さなアップダウンが続き、2ヶ月ほど大した山に入っていなかった体にはきつかった。
非常に大きなギャップである鐘ヶ坂峠に出て、旧道を下り、現在の国道176号線を歩いて柏原駅を目指した。予定よりも(この電車に間に合えばいいなと思っていた程度の時間よりも)1時間ほどが遅くなった。そこで柏原からは特急「こうのとり」を使って宝塚に戻った。この特急、ガラガラなのに自由席がないという、JR西の変な戦略の列車だった。
石生駅を出たのが9時10分、柏原駅に着いたのが15時45分だった。
写真はヒカゲツツジとタムシバである。ヒカゲツツジの株全体を写した写真をアップしようと思ったが、色が冴えない。黄色は写すのが難しいなと感じる。そうそう、ヒカゲツツジの名の由来がよくわからない。「日の当たる場所にも咲いてるやん」だ。
2024/04/13