向山の最寄り駅は石生駅である。無人ながらICカードが使える。福知山線は進んでいる。
駅前から東に歩くと、すぐに昔の街道に出る。古い民家の並ぶ道を50mほど南へ歩くのだが、車の往来がかなりあるのでなかなか怖い。
細い車道を東へと折れ、溜池の北側を進むと、前方に向山と清水山に囲まれた広い谷間が見える。山腹にヤマザクラがたくさん咲いていて、春の風景だ。溜池を過ぎ、グランドの横を通ると向山への標識がある。それに従って左(北)に折れる。
知らなかったのだが、折れずにまっすぐ進むと水分れ公園というのがあり、そこで雨水が日本海と太平洋(瀬戸内海)に分かれるとか。地形図を見るかぎり「ほんまかいな、石生駅の少し北側でないの」と思うものの、現地に寄らなかったから不明である。いずれにしても標高100m足らず、中央分水嶺として一番低いとか。
さて、標識に従って北に折れ、少し登ると観音堂があり、登山口になっている。桜が満開を少し過ぎていた。
山道に入り、すぐに獣除けをくぐる。時間が9時過ぎだったためか、登山者が複数組ある。何故なのか、桜を見るためか。満開のミツバツツジを見つつ三角点(300.0m、点名は二の山)峰を経て、岩座の展望台を過ぎ、三の山を越えると、登山者の多い理由がわかった。ヒカゲツツジの黄色い花が満開だからのようだ。
これまでの山歩きで数株しか見たことのなかったヒカゲツツジが、向山への登りに非常に多かった。向山の稜線の上部は伐採されず、ブナをはじめとした落葉広葉樹が残されているからだろう。なお、向山を越すとヒカゲツツジは見られない。
その黄色い花を愛でつつ、ついでにタムシバの白い花も楽しみながら、四の山(511mの独立標高点峰)、深坂北峰、ツツジが岡展望所を越え、向山に着いた。三角点(568.8m、点名は向山)がある。山頂からの展望はというと、北側の春日方面が見える。
向山までの稜線は北側の展望がほとんどだった。岩座とツツジが岡展望所からは南の柏原方面を見ることができる。山間に比較的広い平地が広がっている。かつて小さい(2万石)ながらも柏原藩が成立し、織田信長の末裔が治めていたそうだ。
上の写真は登山口付近から見た向山である。三角形のピークが山頂だと思うが・・。下は向山の三角点である。
2024/04/14