川北英隆のブログ

高峰山を越えて大平山へ

宇陀方面の地形は複雑である。大きな山はない代わりに、稜線が続いたり、切れたりと複雑であるから、ピークも多い。今回は、登り残している山というか、21年9月に三郎岳(879m)を歩いたときに見つけた大平山を目指した。
近鉄榛原駅からハイキング向けのようなバスが出ている。伊勢本街道の宿場町、高井バス停で降り、まずは千年桜で有名な仏隆寺へと歩く。前日の夜まで雨だったから、周囲に水気が多い。
仏隆寺の桜は終わっていた。今年は4月の初めに開花したらしい。近所のオバさんだろうか、寺の手入れに車で来ていた。そのお寺を入口で拝み、室生寺への古い参詣道に入る。
かつては車が入れたらしいのだが、谷沿いの傾斜の急な道であるため、今は新しい車道が付いている。旧道は歩行者用の道になっているが、植林の中で落ち葉が多く、峠の手前は車の通れる幅もない。
峠は唐戸峠との名がある。ここで車道と合流する。峠から少し下ると宇陀から吉野の展望がある。峠の北側に役行者の石像が祀られ、横を道が上がっている。それが登山道である。
道は植林の中で、下草に笹が多い。よく整備されている。東西に伸びる尾根に上がり、西へと登っていく。急な登りを経て、尾根が平らになると三角点(768.6m、点名は桃木谷)に出る。少し下り、急な斜面を登り直すと当日の最高地点、高峰山(東峰)に出る。790mの等高線ピークである。プレートには802mの記載も混じるが、根拠はわからない。手入れされた立派な植林と大きなアセビに囲まれ、残念ながら展望はない。
100m足らず西にもほぼ同じ高さの等高線ピークがある。西峰である。さらに西に770mの等高線ピークがある。この3番目のピークから下ると、尾根が北に曲がったようになり、それに引き込まれる。植林用の古い針金のフェンスに気を取られるから、余計に紛らわしい。実はその北尾根は支稜であり、主稜は西へと大きく下っている。ここが大平山までの間でわかりにくかった。
主稜を下り、鞍部から登り直すとあっけなく大平山の山頂だった。三角点(711.2m、点名は大平山)がある。山頂部分が切り開かれ、明るい。ただし周辺部は北が植林、南が落葉広葉樹主体の林であるため、展望に乏しい。南側の林の中に少し入り、三郎岳と高見山らしき姿があり、その奥に台高の稜線が伸びていた。下に村も見える。それらを眺めつつ、少し早い昼食にした。
上の写真は高峰山の山頂、下は大平山から見た三郎岳(中央)である。三郎岳の左に、その肩とも言うべき高城山が写っている。
追記と訂正:高城山は三郎岳の右にある丸くて大きなピークである。三郎岳の左にあるピークの名前は不明。M君の指摘により訂正しておく。
20240503高峰山山頂.jpg

20240503大平山からの三郎岳.jpg

2024/05/03


トップへ戻る