今日の日経新聞にニューヨーク・ダウ4万ドル突破の「記念記事」が掲載されていた。いかにも「株、凄いぜ」と言わんばかりだが、なんだか怪しい。カルメン・マキではないが、時には間違うようだ。
そもそも1万ドル突破が99年3月、2万ドルが17年10月、3万ドルが20年11月、4万ドルが24年5月と、1万ドル刻みに突破年月を表示することが怪しい。表現としての景気はいいのだが、一種のダマシである。
1万から2万は2倍、2万から3万は1.5倍、3万から4万は1.33倍と、上昇率が小さくなっていく。だから更新した期間の長さを用い、年平均で何%上昇したかを計算して示すのが正しいし、正直である。
計算してみると、1万から2万ドルに上昇した間の年平均上昇率は3.96%、2万から3万ドルへは11.16%、3万から4万へは8.57%である。
4万ドル突破の速度もなかなかのものだが、3万ドル突破よりも速度が落ちている。金融政策が引き締めに転じた影響があるのだろう。
一方、記事にあるように、ニューヨーク・ダウ構成企業に入っているマイクロソフト、アップル、アマゾンの3社が最近の株価上昇に大きく貢献しているのは確かである。これは記事が正しい。つまり経済の新陳代謝が株高を支えている。
参考のため、ニューヨーク・ダウと日経平均株価の推移のグラフをアップしておく。1950年から先週末までのデータに基づく。
株価は常用対数に変換してある。対数に変換することで、グラフ化して株価の線の傾きを見るだけで、株価の上昇率・下落率の大小がわかる。また、高校の授業を思い出してほしいのだが、常用対数の底は10だから、グラフの目盛り「2」は株価100、「3」は1000、「4」は10000のことになる。今日の日経新聞に示された株価のグラフ(2000年以前の株価推移が潰れてしまっている)よりも、よほど優れていると思うのだが。
2024/05/19