最近思うのは、景気や株価に対する強気の見解が目立つことである。日銀もその強気の一翼を担っている。景気への見解は本当なのか。
僕自身、景気に悲観はしていない。とはいえ強気にもなれない。
悲観していないのはアメリカ経済が緩やかながらも景気上昇を続けているからである。とはいえ、その景気は「遠くの戦争」(ウクライナやイスラエル)であり、生成AIブームである。これらにともなう需要増加は日本には直接波及しない。アメリカの軍需産業であり、生成AIに不可欠な半導体をほぼ独占的に生産しているエヌビディアが、気を吐いているだけに等しい。
つまり日本にどの程度の波及があるのかは怪しい。半導体の製造工場を日本に誘致し、その建設も始まった。今は半導体製造ではなく、建設業界をはじめとして、その周囲が潤っているに過ぎないのだから、その効果を本当に当てにできるかどうかの判断はまだ先である。
一方、日本の場合、円安にともなう物価の上昇によって、消費マインドが冷やされている。
卑近な例で申し訳ないが、魚好きのわが家の食卓に登場する魚といえば、最近は「カマ」が多い。オカマでもカマトトでもなく、魚の頭の部分である。
カミさんが主張するには、それが一番安くて美味くて食べ応えがあるのだとか。僕としては「正しい身を食べたい」と反論するのだが、カミさんとしては高くて買う気にならないのだとか。
先日歩いた横浜中華街のメイン通りには、食べ放題、飲み放題の看板がやたらと目立った。最近、とみに増えているようだと、5/26に書いた。そうでもしないと、老舗だった聘珍樓のように潰れるのか。
そんな風景を見た後、ますます日本の景気に強気にはなれない。日銀のように「賃金上昇が消費を支え・・」とも、思えない。新聞記事も日銀も、自分たちの立ち位置に我田引水し、ついでに税金を湯水のようにしか思わない政府の味方をしているのだろうか。
夕食にカマをしゃぶりつつ、骨を選り分けつつ、思った次第である。
2024/05/29