株主総会の招集通知の季節である。今まで株主総会には関心がなかったから、余程のことがないかぎり議決権の行使もしなかった。それが最近、真面目に議案に目を通すようになった。といっても取締役などの選任議案だけに近いのだが。
何回か書いたように、上場企業の社外取締役を3社以上兼務するなんて、お飾りで役職に名を連ねているに等しい。
実態はというと、金融庁や東証から女性の取締役を「できれば選んでほしい」と要請されるようになったため、企業も急ぎ対処している。しかし日本では女性の社会進出が遅れているから(その理由や是非をここでは議論しない)、女性の奪い合いになっている。このため3社以上兼務する人物が女性で目立つ。
僕は今まで3社までは黙認してきたが、今年からはすべて「反対」を表明することにした。女性取締役が推奨されてから時間が経ったことだし、女性取締役を選べなかった理由を堂々と表明すればいいだけである。
適切な候補者がいなかった旨を説明する方が、化粧を施すために3社以上兼任する女性を候補者にするよりも、投資家としてはるかに高く評価できる。
個人が反対したからといって「議案を否認」できるほどの効果はないのだが、賛成比率を引き下げる程度の効果はあろう。
そんな企業のお飾り的な要請を唯々諾々と受け入れる方もどうかしている。ひょっとして金銭に溺れる質かもしれない。もしもそうだとすれば、賛成比率が他の候補者よりも低いことに何の恥じらいも感じないのかも。しかし個人投資家から見ると、裸の女王様的になっていることだけは確かである。そうであるなら、「まあいいか」と思っている。
ちなみに、株主総会における議案への賛否の比率は、総会の後で公表される。企業のサイトに入ればいい。
2024/05/31