ほぼ1ヶ月ぶりに山に入ろうというので、急遽計画し、出掛けた。簡単なのがいいので、有馬温泉の西側の山を選んだ。六甲の北側に位置するから、辺鄙な山ではない。だから安心できるはずだったのだが。
六甲の北側に入るには、1年ほど前に見つけたルートを使えば意外に時間がかからない。それは、阪急で十三、神戸三宮まで出て、そこから神戸市営地下鉄に乗り換え、谷上に出る。谷上は神戸電鉄有馬線の駅であり、六甲の北を歩くのにお世話になっている。
神戸電鉄有馬線の有馬口で降りた。南東へと住宅街を歩き、水無川沿いに歩く。高速道路をくぐると、私道につき通行禁止と書いてある。車だけだろうと、ゲートの横を通り抜けて歩いた。じきに鬼ヶ島(というピーク)への登り口に出る。何も表示がない。入口は灌木に覆われているが、登り始めると明瞭な道になる。
急登を経て双耳峰の鬼ヶ島(580mの独立標高点ピーク)に着くが、展望がない。山名プレートもない。
少し下り、登り返す。丸くて大きなピークが右手に見える。逢ヶ山である。松が目立つ。長い頂上部の一番南のピークが水無山と呼ばれている。650mの等高線ピークである。
水無山から下ると水無峠である。峠からは植林の中の急な登りになる。その植林の中に大きな松が点在している。
傾斜が緩くなると高尾山(739mの独立標高点ピーク)に着く。展望はなく、山名プレートもない。しかもここまで、ルート上のテープがほぼゼロに等しい。山林の持ち主が登山者を嫌がり、プレートやテープ類をすべて撤去した可能性が高いと思えた。
高尾山は大きな分岐である。東に尾根を歩けば湯槽谷経由で有馬もしくは六甲の主稜に出られる。今回は西に歩いた。すぐに下りになり、仏谷峠に出て、そこから逢ヶ山を往復した。三角点722.1mはあるのだが、展望と山名プレートはなかった。仏谷峠に戻り、仏谷を下った。これが今回の最難関だった。
仏谷の下部は林道になっている。六甲北部は林業地帯のようで、いくつもの林業が付けられている。それをたどり、古寺山の南側に出た。六甲有料道路が近くまで来ているので、複数組の登山者と出会った。林道を離れ、古寺山(636mの独立標高点ピーク)に登った。山頂には大きな石が転がっている。やはり展望と山名プレートはなかった。
軽い昼食の後、北に下った。2個所大きな分岐があるものの、表示がない。下り切り、有料道路の下を狭いトンネルでくぐるのだが、通行禁止と書いてある。仕方ないので無視してくぐり、神鉄六甲駅に出た。
要するに今回のコースは、誰かが「歩いてほしくない」と思っているのだろう。しかしルートはある。迷って遭難したらどうするか。入口に「入るな」とあり、それで十分なのか。
有馬口駅を出たのが8時ちょうど、神鉄六甲駅に戻ったのが12時35分だった。
写真、山の展望は少なく、不作だった。そこで花の写真にする。コアジサイとコガクウツギ(という名のアジサイの一種)である。
2024/06/08