逢ヶ山の次に古寺山を目指すのだが、そのルートをどうするのか迷っていた。西に尾根下り、逢山峡から古寺山の南側の登山口に出る方法が本命だったのだが、距離が少し長く、高度差も大きい。そこで今回は仏谷峠に戻り、古寺山の登山口にアプローチすることにした。
逢ヶ山から峠までは往路と同じだから簡単である。しかし峠に着くと、行きに見たのと同様、仏谷へ下る道が不明瞭だった。ルートは谷沿いなので、薄い踏み跡を頼りに適当に下ったのだが、大雨が踏み跡を削っているため、滑りやすい段差の箇所がある。
谷が広くなると、踏み跡が草で覆われたり、水の流れた跡が踏み跡だったりする。アジサイ類、ウノハナ(ウツギ)、ヤマボウシなどの花を愛でる余裕はあまりない。
流れの横の踏み跡を歩いていると、やがて大きな堰堤が正面に現れた。地図で確かめると、堰堤を左岸側(流れに向かって左側)から越えないといけない。仕方ないので左岸を少し登ったところ、明瞭な道に出た。どのあたりから道があるのかは不明ながら、谷が広くなってから左側を注意深く探す必要があったようだ。
いずれにしても、雨の後なら、仏谷は使えないだろう。帰ってから調べたところ、逢ヶ山から西へと逢山峡に下るルートは急ながら、整備されているらしい。
堰堤を越えるとすぐに林道に出た。その後は整備された林道が続く。立派な橋を渡り、逢山峡からの舗装道にぶつかる。それを南へと登っていく。もう一度橋(猪ノ鼻橋)を渡り、右(北)に折れ、なおも林道を歩く。裏六甲ドライブウェイの音が聞こえてくる。ハイカーも多くなる。
峠に達すると右(北)に古寺山への登山道が現れる。ここには目立たないながらも、「古寺山」の表示がある。水分補給をした後、登山道を上がる。落葉広葉樹の中の岩の多い急登である。振り返ると六甲の主稜が見える。
まずは630mの等高線ピークに登り着くのだが、そのピークの手前、熊笹の間を左(西)へ下りるところを直進してしまった。折れた後、一旦下り切った箇所でも直進してしまった。右(北)に下り気味に進まないといけない。間違う者が多いようで、それぞれ途中まで踏み跡がしっかり付いている。これらの箇所は表示が不明確、かつテープもない。
それぞれ元に戻り、登り返すと古寺山だった。636mの独立標高点ピークである。落葉広葉樹の中に大きな岩があり、「修行岩」との名札があった。ただし山頂名のあるプレートはどこにもなかった。山頂の下に、西側を見渡せる展望台があるらしいのだが、ハイカーが騒いでいたので遠慮した。古寺山から北へ下る途中で、西側の展望が得られる。
古寺山の名前は、かつて山頂に平清盛ゆかりの多聞寺という寺があったからだとか。今の多聞寺は神鉄六甲駅の北側に再建されている。
山頂で軽く水分とエネルギーの補給の後、北へと下った。途中、気をつけないといけない分岐が2個所ある。道を誤ると遠回りになる。送電塔の横を通り、最後に有料道路の横に出た。
道路の下に通路が設けられているのだが、雨の後は水に浸かり、通れないかもしれない。しかも「関係者以外通行禁止」とある。と今更言われてもどうしようもない。狭い通路をくぐり抜け、住宅地に出た(唐櫃六甲台と唐櫃台4丁目の中間地点)。後は車道を神鉄六甲駅まで歩くだけながら、車優先の典型のような終わり方だった。もう少しましなルートを歩くには、事前に調べておくことが必要だ。
上の写真は古寺山の山頂である。下は神鉄六甲の上部から見た古寺山である。
2024/06/09