川北英隆のブログ

東大生はアホか

東大の安田講堂へ学生が侵入し、警備員が怪我をしたらしい。思い出すのは僕が高校生3年生の時である。安田講堂に学生が立てこもり、機動隊が突入した。その影響で東大の入試が中止となり、「こんな程度で受かるやろ」と安易に思っていた京大の入試に大波乱が起きた。
それはともかく、今回のミニ安田講堂事件は学費の値上げにある。年間53万円を63万円にする方針らしい。計算すると、日額1452円が1726円になる。マクドでの時間給に少し毛が生えた程度か。「そんな金額で毎日すごい講義が生で聴けるのなら安すぎる」と思うのだが・・。
僕の時代、国立大学の学費がいくらだったのか。記憶になかったので調べると1.2万円らしい。月1000円である。中高も国立だったのでこっちは記憶に頼ると、中学は確か月100円だったと思う(200円ではなかったような)。高校はもう少し値上がりしていたような。質のばらつきはさて置くとして、やはり安かった。
先日、現役の大学教員と話をしていると、日本の大学の研究者すなわち教員の質が落ちていると嘆いていた。優れた研究者は海外に留学し、多くはそこでの地位を得て日本に戻らないらしい。その主因は、かつては研究環境にあったのだが、今や給与格差になっている。研究環境であれば帰国した後の努力で何とか改善できるかもしれないが、給与はどうしようもない。何年も研鑽を積んだ後の教授職で年間1000万円に達しない日本の現状は情けなすぎる。
ということで学生諸君、素晴らしい授業を受けたいのなら、学費値上げ反対ではなく、「もっと教員の賃金を上げろ、その代わりに奨学金制度を質量ともに充実させろ」と訴えるべきである。当然ながら、この抗議で侵入、乱入するのなら、それは安田講堂ではなく、霞が関であり、国会議事堂周辺だろう。
ということで、「もうちょっと頭を働かせたらどうや、東大生諸君」と思ってしまう。

2024/06/24


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