川北英隆のブログ

それでどうした円安論議

今日の日経新聞の経済教室のトップは「歴史的円安と日本経済」と題する特集の2回目だった。「消費者、不利益を避けられず」を大学の教員が書いている。
僕の関心事項なので目を通したが、途中から飛ばし読みになった。というのも、円安と円高がどう影響するのか、あれやこれやと述べているにすぎず、最後までたどり着いた瞬間に「それでどうした」と言いたくなる内容だった。
内容的には一般的な事実や議論が並べられ、それぞれは「そんなもんやろ」なのだが、並べた事実から演繹されるものがどこにも見当たらない。もちろん、事実を述べることを否定しないし、論文ではそれが重要である。しかしそこから筆者なりの「発見」がなければ意味がない。
それも、経済学は実学だから、つまり経済活動や社会生活に役立たないといけない。だから経済活動や社会生活に関する「発見」が望ましいと思っている。とはいえ、直接敵な結論を求めているわけでもない。間接的に何らかの示唆があればいい。
僕の為替レートの議論に関するスタンスは、円高か円安か、どちらが国民にとって望ましいのかである。足元の円安を議論するのなら、この観点から事実を集め、示唆を導き出してほしいものだ。

2024/06/26


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