緊急のブログである。本日(8/2)、株価が急落した。確認すると、7/11以降、下落基調にある。7/31までの3日間、少し戻り基調にあったものの、8/31の日銀の政策決定会合での思わぬ「政策金利引き上げ」を受け、株価は急落に転じた。
数字を示しておく。日経平均株価は7/11に42224円を付け、その後は下落、8/2は35909円で引けた。15.0%の下落である。
株価推移をチャート(週足)で見ると、今年2月初の大きな窓(「窓って何」の場合は、「株価 窓」で調べるといい)を下落によって埋めてきた。チャート理論の通りでもある。
それはともかく、今回の下落にはアメリカでの株価下落がある。そのアメリカは、株価が急速に値上がりしていたところに、景気後退、調整局面入り懸念が生じてきた。後者は少し前から懸念されていた状況であり、株価はその景気の調整を先取りした。
NYダウは7/17に41198ドルを付け、その後は下落基調、8/1には40347ドルに低下した。下落率は大きくないが、AIなどの多いナスダックの株価指数は利益懸念により、7/30までに10%程度下落していた。
一方の日銀は、「物価上昇と賃上げの良いサイクルが見られる」として、超の付く金融緩和政策の修正を急いでいる。加えて、円安が日本経済に与える悪い影響への懸念が政府や企業で高まっていた。
日銀は6月の政策決定会合において、超の付く金融緩和政策の修正の足取りを迷ったため、円安が加速した。政府はドル売り介入を余儀なくされた。
このため7月31日の政策決定会合では、市場関係者が「次の会合で決めるのだろう」と予想していた政策金利の引き上げを急遽決めた。そのように外部からは見えてしまう。
7月31日の政策金利の引き上げは、8/1と8/2の市場の反応からすれば、完全に逆モーションだった感が強い。日本の経済が曲がりなりにも上昇し、物価と賃金の好循環に入れそうなのは、アメリカ経済の支えが大きい。それを見逃したのかもしれない。
そのアメリカ経済が調整局面に入るのなら、独自の成長分野に欠ける日本には最悪の材料である。日本も調整局面に引きずり込まれる可能性が高い。とすれば、日銀の金融政策として望ましいのは、政策金利の引き上げについて、しばらく様子見することだった。ドルレートも、米国経済が調整局面に入れば、その上昇は重くなるだろう。
以上のように考えると、今回の日本株の大幅な下落は「抜かった日銀」「急いだ日銀」に求められる。もちろん、株価の多少の下落は避けられなかったとしても、この2日間のような大幅な下落は免れただろう。
もっといえば、株価の下落は富裕層の財布の紐の引き締めを呼ぶ。景気の下落要因となる。
しかも新NISAによる株式投資に損失をもたらしている。日本の株価で見れば、今年1月初の株価よりは高い位置にあるとはいえ、2月以降の株価水準を下回りつつある。「やっぱり株式なんて買うものではなかった」との、毎回来た道に戻りかねない。
2024/08/02