カザで2泊した翌日、再びスピティ川を遡り、4500mの峠を越えてラダックの入口の村、キーロン(Keylong)村へと向かった。キーロンはかつて、チベット西部との交易で栄えたとのことである。
カズ村を離れてすぐにスピティ川の南側へと橋を渡り、国道をたどるのかなと思っていたところ、そのまま川の北側を走った。ということで、前日に見学したキ寺院とキッバル村の下を通り、さらに奥へと進んだ。
と、峡谷に大きな橋が架かっている。チチャム(Chicham)橋と呼ばれている。鋼鉄の橋としては世界で1、2の高度にあるらしい。スマホを見ると標高は4000mを超えていた。しかも橋の下の峡谷は深い。車が国道を走らなかったのは、この橋を見せるためだったようだ。
その後はスピティ川へと下り、さらに上流部に向かう。スピティ川の源流部付近で道路は南西に折れ、峠越えになる。クンザム峠(4550m)である。
峠にはチベットの仏塔があり、タルチョが多い。眼の前にはヒマラヤ末端の6000m峰が連なっている。地面にはキンポウゲ類の花が多く見られた。
峠を越えると道が少し悪くなる。インダス川の大きな支流、チェナーブ川へと下る。河原で弁当を広げ、再びチェナーブ川の下流へと向かうのだが、この道が非常に悪かった。河原を走る箇所は現地のドライバーでさえ迷うくらいであり、川の水量が増える時期には道が水に浸かると思えた。6000m級の山の末端だからだろう。
道は一度谷を高まく。対岸にも6000m級の山があり、そこから雪の溶けた水が滝となり、谷に流れ落ちている。もう一度道が高巻くと、南にある大きな町、マナリからの道路と合流する。ここから道は舗装となる。
コクサーの滝(といっても大したことにない滝)を過ぎ、その少し下でマナリへの新道と合流する。峠道を避け、延長10キロ程度のトンネルで山をくぐる道である。ここで国道3号線になる。その少し先で蜂蜜を買った。
さらに下流へと進み、タンディ村に入る。チェナーブ川が支流のバーガ川と合流する地点である。ここから道はバーガ川沿いになる。
少し遡ると当日の宿泊地、キーロンだった。バーガ川への急斜面に展開した村である。交易で栄えたというだけに、狭い土地に店や宿泊施設が密集している。その中のホテル(ゲストハウス)に泊まった。
写真は上から順に、チチャム橋、スピティ川の土柱、クンザム峠、クンザム峠付近からの高峰、チェナーブ川野河原から見た高峰である。
2024/08/03