川北英隆のブログ

『個別株の教科書』上梓

『個別株の教科書』という本を書いた。アマゾンなどで並んでいる。出版社は「ディスカヴァー・トゥエンティワン」という。この出版社、取次店を通すという普通の販売をとらないらしいので、町の本屋に並んでいるかどうかは不明である。

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アマゾンのサイトにリンクしておく。
この本の内容を一言で表せば、僕自身の60年間少しにわたる株式市場との付き合い方をまとめてある。もう少し言えば、(僕自身がそうなのだが)放ったらかしに近い株式投資から、いかに望ましい投資収益を引き出すかである。
結論としてあるのは、「良い企業と長期間付き合うこと」に尽きる。つまり、「良い企業をいかにして見つけるのか、出会うのか」を書いたつもりである。
もちろん、良い企業と簡単に出会え、付き合えれば誰も苦労しない。でも、「出会いたい、付き合いたい」と必死になればなるほど、それが実現しなかった時の落胆が大きい。だから逆に、そこまで必死になるのは馬鹿げている。他の仕事や遊びのついでに、ボンヤリと窓の外を眺めればいい。よそ見をすればいい。いろんなアンテナを張っておけばいい。
そうすると、ひょっとしてヒントが、糸口が転がっているかもしれない。60年間を振り返ると、僕の株式投資とはこの「ついで流」、「なまくら流」だったようにも思えてくる。
それはともかく、出版社から株式投資の本を書いてほしいとの連絡があったのは去年の8月だった。「ハウツー物は書かない」と条件を付けたところ、「それでいい」という。編集者が京都に住んでいるとかで、近くの喫茶店で会い、打ち合わせをした。
しばらくは材料を集めていたところ、年末近くになって進行状況の確認があった。それがムチとなり、正月頃から徐々に取り組み始めたと思う。とはいえ山歩きあり、旅行あり、原稿の一部紛失(データが消えた)あり、雑用ありで、大方の原稿を出したのが5月末、一部は6月にまたがった。
7月に旅行(ラダック行き)の計画があるというので、大急ぎで編集、ゲラ作り、校正と作業が進み、7月末に作業がほぼ終わった。見本刷りが届いたのはお盆前だった。
編集者もそうだったと思うが、僕も綱渡り的だった。ラダックの通信事情も気になった。編集者から連絡が届くのかどうか、届いたとして返信できるのかどうかである。実際はというと、現地での通信に大きな支障はなく、また編集者との緊急のやり取りもなかった。
ラダックの通信事情が気になったから、事前に現地の状況を多少調べた。これがインド経済を知るヒントにもなった。旅行をして、ついでに経済の一端も知ったわけだ。
「でも」と思う。旅行分野でも経済分野でも本物、つまりプロ中のプロにはなれないのが、この「ついで流」、「なまくら流」の運命でもある。

2024/09/01


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