気象庁のデータを使い、京都の暑さを東京都と比べてみた。「そら京都が暑いに決まっている」とのことだろうが、実際は異なっているし、単純な結論ではなかった。
1950年から2024年までの夏(7月から8月の62日)について、京都と東京の差を計算した。
1つは、各年の夏の最高気温、平均気温、最低気温の平均値を求め、「京都-東京」を計算した。もう1つは、各年の夏の最高気温が35度以上の日数、平均気温30度以上の日数、最低気温25度以上の日数を数え、その日数の「京都-東京」を計算した。
下にその結果を図示しておく。
これによれば、京都のほうが暑いとの評価は、「ほぼカニ」ではないが、「ほぼ正しい」。
とはいえ詳細に見ると、2015年頃まで、最低気温だけは京都も東京も大きく変わらなかった。むしろ最低気温25度以上の日数、すなわち熱帯夜は東京のほうが多いくらいだった。
京都が盆地にあり、最低気温と最高記憶の差が大きいからだろう。表現を変えると、京都の日中は暑いが、朝は多少冷えていた。
しかしこの状況が、2015年頃から変化しているのかもしれない。つまりこの10年ほど、京都の最低気温が東京よりも高くなり、熱帯夜の日数も増えている。これにより、京都の日々の平均気温が東京よりも一層上昇している。もっとも京都の最高気温が東京との比較で一段と上昇したようには見えない。
足元の10年ほどの京都の気温の相対的な上昇が一時的なものではなく、新たな状況なのかどうか、注目したいものだ。
追記:2015年以降の「京都-東京」の気温差の変化、実は東京の観測地点が大手町から北の丸公園に移ったことによる。全体に東京の気温が低くなったそうだ。とくに最低気温は1.4度くらい下がったとか。その差を考慮すると、東京の最低気温は依然として京都よりも高いようだ。
2024/09/05