杉山は展望がなく、表示がなければ「どこにピークが」程度だったので、そのまま通過した。少し下がると大きな杉があった。天然の杉があったから杉山と名付けられたようだ。
杉山からの下りは山慣れていないと迷いやすい。林の中、踏み跡とテープはあるのだが、稜線が広く、まっすぐには下っていない。以前は下草として茂っていた笹がシカに食べられ、枯れてしまい、簡単に折れる。このため踏み跡が分かりにくい。
650mの独立標高点ピークを過ぎ、550m付近まで下ると、道の向きが変わる。稜線を右斜めに下っているように思える。傾斜が少し強くなり、踏み跡が入り交じる。木の間から林道らしきものが見えたので地図を見ずに下ったところ、テープを見失い、そのまま林道に出た。368mの独立標高点のある分岐の少し北側だった。
林道を10mほど歩くと左手の林の中に分岐点を見つけた。しかし、その分岐から100m近く登って450mの小ピークを越える気になれない。そのまま林道を歩いて小ピークを巻き、その西側の鞍部に出た。もっとも林道は日陰が少ないので暑かった。しかも鞍部の高度は410m少しあるので、分岐から50mほど登ったことになる。
鞍部は茶屋ヶ成(ちゃやがなる)と呼ばれ、福知山と宮津を結ぶ元普甲道(もとふこうどう)が越えていた。茶屋があったので茶屋ヶ成である。鞍部の南側(福知山側)には、かつて普甲寺という高野山とも対比されるほどの大きな寺院があったとされる。今は礎石程度しか残っていないらしい。
茶屋ヶ成から林道を離れ、西へ普甲山を目指す。2017年までスキー場だったため、太陽の下、草原を歩く。最高点の手前、南の林付近に三角点(471.1m、点名は不孝峠)がある。
三角点から少し登れば普甲山の最高点(481mらしい)である。残念ながら今は太陽光発電施設になり、展望の邪魔になっている。とはいえ、振り返ると杉山がなだらかな姿を見せている。赤岩山は杉山に隠れている。その右奥に由良ヶ岳の姿があった。
普甲山の西斜面がメインのスキー場だった。リフトと施設が残っている。下り切ると普甲峠(402m)である。時間を見ると、大江山口内宮駅まで下って快速に乗るには遅い。辛皮駅から普通に乗るのは時間が余る。ロッジ跡にベンチが残され、しかも日陰なので、それで30分ばかり涼んだ。
峠から辛皮までは車道がある。車はほぼ通らず、前回も今回も会わなかった。途中、普甲寺跡に建つ弁財天がある。小さな祠なのだが、半分壊れていた。
その少し先から元普甲道が下っているので、今回はそれを使った。民家の間を下る。最初は草で覆われた箇所があるものの、林の中に入ると踏み跡があり、テープもある。一度車道を横切った後、少し分かりにくくなる。小さな沢の左岸を下る。シカに出会った。
車道に出ると辛皮の北の村外れ、元普甲道の案内板がある。後は車道を歩き、何軒かの民家を通り抜け、村の南の外れを左(東)に折れる。線路をくぐり、左に折れて登ると駅のホームである。途中、村中にトイレと水道があった。そこで顔を洗い、喉を潤した。
上の写真は杉山で見た大きな杉である。下は普甲山の三角点である。
2024/09/09