川北英隆のブログ

株式市場と日経新聞の関係

株式市場に興味がある場合、日本経済新聞(日経新聞)を購読することが多い。僕も子供の頃、親戚の家ではじめて日経新聞を知った。その情報量の豊富さに、子供心ながら、わが家の新聞(産経新聞)との差に驚いたものだ。
その日経新聞は今もサラリーマンをはじめとする経済人にとって必須アイテムだろう。一方の僕は、日経新聞と一定の距離を置いている。何故なのか。
1つは、経済活動に関わっている者として、僕と経済との距離は、日経新聞と経済の距離と大差ない。これが子供の頃との大きな変化である。日経新聞は記者の数が多いから、経済との接点が多いだけに情報量も多い。これが僕との大きな差だろうが、次に述べるように、質の点では疑問がある。
2つに、僕自身、特定の情報に関して、日経新聞よりも早い段階で接することができる。今まで築いてきた情報ネットワークのおかげなのだが、これを自慢する気はない。
言えることは、新聞の情報とは、社会的な記事は別にして、名前に反して即時性に乏しい。これは僕だけの見解ではなく、多くの知人が指摘している。新聞に取り上げられたなら、その時点で(株式投資に関する情報として)終わりだと。
これは一般の個人にも言える。新聞はある程度客観性を保つ必要があるため、個人的な印象と感覚だけでは記事にならない。個人が「この製品(サービス)、すごいね」と感じることができれば、それは新聞記事になるはるか以前だろう。
3つに、新聞も利益を追求しているとの事実である。日経新聞には失礼ながら(個々の記者を尊敬しているのだが)、新聞社としては売上を増やし、儲けを増やさなければならない。そうすると、日経新聞全体としての目標は、景気を良くして広告を増やすことになる。景気を冷やすような記事は優先順位が低くなる。
もちろん新聞が真実を隠しているとは言わない。とはいえ、事実を書いた後、まとめとしての予想に関する記述は「景気がいい」、「株価が上がる」との記事が多くなってしまう。特に最近、そのような見出しが目立つと、つまりバイアス(偏り)が目立つと思っている。
新聞は株式などの投資に関する重要な情報源である。しかし、どこまでが真実で、どこから先が記者の感想なのか、新聞社としての見解なのか、留意して読む必要がある。

2024/09/19


トップへ戻る