川北英隆のブログ

オリンポス山・山小屋

オリンポス山(2917m)はギリシャの最高峰である。このオリンポス山、ピークがいくつもある中、最高地点はミティカス峰である。しかしミティカス峰には岩場があるため、それを目指す日本のツアーは少ない。多くはすぐ隣のスコリオ峰(2912m)で満足させられる。
今回、ミティカス峰を目指す日本発のツアーがあった。すぐに申し込んだ。蓋を開けると参加者は10名、その何人かと話していると、今回のツアーに参加した理由はミティカス峰に登るからとの声が多かった。
東麓の町リトホロから、高度約1100m地点にある登山口プリオニアまでは車で行ける。登山口は車道の終点でもある。プリオニアには水場、トイレ、レストランがある。駐車できる場所もたくさんあり、登山者や観光客が多い。山に登るのではなく、上高地のように(そこまで風光明媚ではないものの)、単純に散策する場所でもあるのだろう。
気温は高くなく(といって低くもなく)、かつ湿度が低く、出発した日本に比べるときわめて快適である。もちろん歩き始めると汗は出てくる。
プリオニアからはしばらく、沢沿いを登っていく。最初はヨーロッパブナの目立つ林である。何回か沢を横切り、林はマツ(ヨーロッパクロマツ?)に変わっていく。
登る途中、我々の山小屋泊で必要な荷物(シュラフや着替えなど)を運んでくれたラバ(ミュール)の、下りの隊列に出会った。ラパの本来の役割は小屋へ食品とか燃料を届けることにある。そのついでに我々の荷物を運んだようだ、ラバにとって余計な荷物だと思う。陰ながらお礼を言っておいた。
登山道がジグザグになり、樹林の密度が薄くなって沢を渡ると、当日の宿泊地であるスピリオス・アガピトス小屋(2100m地点)の大きな姿が頭上にはっきりと見えるようになる。
この付近、沢には遅くまで雪渓が残っているそうだ。沢には大きな石が転がり、水はない。再び樹林の中に入り、非常に大きなマツを見るようになると小屋は間近である。
登山口から4時間で小屋に達した(団体行動でなければ3時間程度だろう)。道は整備されている。
小屋は大きく、オリンポス山を登るのに一番簡単であるため、人が多い。沢の上部から水を引いていることと、ラバが荷運びするため(往復6時間程度)、収容可能人数も多い。
当日と翌日用に(つまり2泊した)、2段ベッドが4つある部屋を割り当てられた。毛布を2枚ずつ使えるが、それに直接触れないようにインナーシュラフなどの使用が求められる。食事、アルコールを含めた飲料、スナック菓子類の購入が可能である。
小屋の外のベンチからはリトホロとその先に広がるエーゲ海が眺められる。振り返るとオリンポス山頂の岩壁もある。のんびりとビールを飲みながら、それらを眺めつつ夕食を待った。
上の写真はプリオニア登山口である。登山口の下を眺めている。上の写真はスピリオス・アガピトス小屋である。手前の人物が現地ガイドである。
20241004プリオニア登山口.jpg

20241004スピリオス・アガピトス小屋.jpg

2024/10/04


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