翌朝、朝食の後、スピリオス・アガピトス小屋を夜明け前に出た。エーゲ海からの日の出を見つつマツ林の中をジグザグに登っていく。1時間ほどで稜線を越える。森林限界でもあり、小さなマツ(ハイマツか、マツが矮小化したのか不明)が点在するだけになる。
スコーリオ・ピーク(2912m)から続く丸いピークを左手に見つつ、稜線の西裾を時計回りに登っていく。やがて稜線の少し西側を北に向かって歩くようになると、当日の目標であるスコーリオ・ピークとミティカス・ピーク(2917m)との分岐点、スカラ・ポイント(2866m)へと続く稜線が明瞭に見えてくる。
単調ながら少し急な登りが続く。道は整備されていて歩きやすい。いつの間にか木が完全になくなっていた。稜線の上に出る地点があり、そこからはミティカス・ピークが明瞭に見えた。
北へと続く稜線を登り切るとスカラ・ポイントである。小屋から2時間半だった。
単純な分岐点かなと思っていたのだが、グーグルマップではスカラ・サミットと表記されているし、実際にもピークである。
その山頂は、北側が切れ落ちている。稜線はスカラ・ポイントからは西へと続き、その先にオリンポス山の第二の標高地点、スコーリオ・ピークがある。
スカラ・ポイントの東側も崖になっているのだが、北側ほどの傾斜はなく、オリンポス山の最高地点、ミティカス・ピークへと岩稜が続いている。
予定では、最初はスコーリオ・ピークに登り、その後でミティカス・ピークに向かうとのことだったのだが、当日は現地ガイドの判断により、最初にミティカス・ピークに登り、その後でスコーリオ・ピークに向かうことになった。
ミティカス・ピークへは岩場を登り下りすることになるため、2人がスカラ・ポイントで待機し、残りの8人(日本からのガイドを含めると9人)がミティカス・ピークに向かった。現地ガイドは2人だった。
その現地ガイドの規定により、ミティカス・ピークに向かうには、従来から必要だったヘルメット(落石対策用)に加え、ハーネスとザイルを使う必要が生じたとか。ヘルメットとハーネスは小屋で借りていた。ザイルはガイドが持参している。
スカラ・ポイントから東側へと岩場を下り、いよいよミティカス・ピークへの出発である。
最初の写真は夜明け直後のミティカスである。岩肌が赤く焼けている。左端の尖った岩山がミティカス山頂のようだ。2つ目は稜線から見たミティカス(中央奥の岩峰)である。拡大してみたところ、山頂の標識が写っていた。3つ目はスカラ・ポイントへの稜線である。ピークは真ん中付近にあるが、かすかに稜線が見える程度で、ほとんど隠れているようだ。4つ目はスカラ・ポイントからのミティカスである。山頂へと突き上げているカール状の窪地を登ることになる。
2024/10/04