川北英隆のブログ

メテオラと「なーんや」

今回、オリンポス山がメインだったため、事前に多少調べていた。岩山だから、登れるかどうか、何を持参する必要があるかも含め、さすがに慎重になる。一方、メテオラはついでだったため、出たとこ勝負だった。
そのメテオラだが、世界遺産であり、岩峰と建物の組み合わせという特異性から、画像で何回か見ていた。その第一印象は、(訪問すると決まってからだが)「どういう方法で修道院まで登るのか不思議ななあ」だった。現地に着き、実際の岩峰を間近に見た時にも、依然として同じ印象が残っていた。
翌日の散策というかハイキングでイメージが大きく変わった。岩は予想していた石灰岩ではなく、礫岩(岩と砂が混じり、固まった堆積岩)だった。
だから比較的柔らかく、登ろうと思うと手がかりがある。階段を設けるのも比較的簡単である。岩をくりぬくことも容易である。実際、修道院によってはアプローチの道に階段だけではなく、トンネルがあった。
つまり修道士が住み着くのは容易い。もちろん、日々の食料や水を修道院にまで運ぶのに苦労があったのは確かだろう。滑車とロープによって、下から修道院にまで荷物を引き上げるのが通常の手段だったようだ。今は電動化しているものの、基本は同じ方法を継承している。
そんな実際の活動を見学し、「世間から隔絶した岩山での信仰の場」というイメージが少し崩れた。「生活するには不便だっただろうが、だからといって仙人が住む場所でもない」というのが結論である。
今ではバスで修道院の建つ岩の基部付近まで行き、階段を少し(100段くらいは有にある)を上がるとメインの場所にたどりつける。爺さん婆さんでも多少の体力さえ残ってさえいれば、訪問可能なのが現実のメテオラである。そのうちエレベータが設置されるのかもしれない。
そんなメテオラの岩場の感触を得たいと言うので、アテネに出発する日の早朝、メテオラの展望を兼ね、有志4人で緩やかな岩山に登った。岩はしっかりしていて滑らない。岩山の上からはカストラキの町と修道院の灯りと夜明けを堪能することができた。
メテオラのすべてを見るには2日や3日は必要である。とはいえ車で回れば簡単だろう。喧噪の中のメテオラ、京都ほどではなかったが。
写真は順に、カストラキ付近の岩場(俗称ローソク岩が真ん中に見える)、メガロ・メテオロン修道院付近の岩場、カストラキの町の近くの岩場に登って眺めた夜明けである。
20241009カストラキから見た岩峰.jpg

20241009メガロ・メテオロン修道院付近の岩峰.jpg

20241009カストラキの岩山の登る.jpg

2024/10/09


トップへ戻る