川北英隆のブログ

ギリシャの植物

ギリシャを旅行したのは9月下旬だから、花は多くなかった。日本と同じで、特に高山の花は終わりに近く、2100mに位置する小屋より上で見かけた花はキク類のみだった。とはいえ、実はギリシャで大きな発見が待ち受けていた。シクラメンである。
オリンポスの登山口から歩き始めるとシクラメンが咲いていた。日本で飾られている大きな花ではなく、一回り小さな花ながら、ビンクというか薄い赤紫というか、なじんだ姿だった。
そのシクラメン、オリンポスではパラパラという感じだったのだが、メテオラでは群生しており、一面シクラメンの咲く場所がいくつもあった。ピンクの絨毯である。踏み入るわけにはいかないが。
調べると、シクラメンは地中海が原産地とある。ウィキペディアによると、ヨーロッパではジャガイモが新大陸から伝わる以前、球根を食用にしていたとか。それくらい繁殖力が強いのだろう。タキイのHPによると、「条件が合えばマイナス15℃に耐え、40℃の暑さでも平気なほど丈夫」とある。
もう1つ、オリンポスの登山口近くで珍しい花を見た。イヌサフランである。大きなピンクの花である。ヨーロッパ中南部から北アフリカ原産とある。サフランと名前が付けられているが、別種とあり、かつ球根は猛毒、葉にも毒があるらしい。
ついでにギリシャの森林について書いておく。
オリンポスの登山口では、昨年の夏に歩いた北マケドニアの山と同じく、ヨーロッパブナの林が見られた。さらに上部では2500m付近の森林限界まで、ヨーロッパクロマツが群生していた。大木も多い。
メテオラでは(つまりギリシャの低地では)カシ類が多かった。かつてのギリシャは森林で覆われ、その木材がギリシャ文明を支えたという。アテネなどの都市部もかつてはカシ類の大木が茂っていたのだろう。
写真は順に、シクラメン(花の横にまだら模様の大きな葉がある)、シクラメンの群生、イヌサフラン、ヨーロッパブナの林の中の登山道、ヨーロッパクロマツの大木、落ちていたカシの実(上に実がなっていた)である。
20241012シクラメン.jpg

20241012シクラメンの群生.jpg

20241012イヌサフラン.jpg

20241012ヨーロッパブナの林を歩く.jpg

20241012ヨーロッパクロマツ.jpg

20241012カシの実.jpg

2024/10/12


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