日本年金機構から扶養者控除の調査表が郵送されてきた。毎年のこと、ちゃちゃっと書いて送り返したのだが、「変なの」と思うことがいくつかあった。
まず調査表が入っていた横長の封筒である。僕としてはすべての封書と同様、糊代の大きな箇所からカッターで開けた。と、封筒の後ろ側ではないか。「変なの」である。封筒の中に入っているのは糞的なものだから、封筒のケツから出せというのか。
よく見なかったが、ケツから開けると調査表を破損する恐れが少ないのかもしれない。そうだとすれば、「変な心配だけしやはる、変な組織」である。
その割には、日本年金機構から調査票が届いたのは10月に入ってからという、「遺憾なタイミング」だった。返信するための切手代が上がった直後のタイミングというわけだ。日本郵政のためを思い、切手代を稼がせようというのか。
その切手代は年金受給者持ちである。つまり国民が自分で切手を貼らないといけない。
いつも思うのだが、サラリーマン時代、扶養者控除の調査表を書かされた。細かな囲いの中に、細かな文字を埋めないといけない。納税について、源泉徴収を使って確実性を増そうという国の政策に即し、サラリーマンが作業の一端を担う制度である。企業もまた「余計な事務」を担う。
厚生年金の場合、国のための事務をしているのだから、扶養者控除の調査表を返信するための切手代は本来、国の組織である日本年金機構持ちではないのか。予算がないというのなら、国に予算要求すべきである。
ケツから封筒を開けさす理由が「調査表を破損しない」ことにあるのだとすれば、それは調査票の回収を確実したいという日本年金機構自身の便宜のためである。10月に入ってから調査票が届いたのは、それが毎年のタイミングだとしても、切手代を負担する国民のことは一切考えなかった証拠だろう。
まあ、そういう組織である。「アホらしや」。
と思った次の瞬間、「ひょっとして僕は、調査票を送り返す必要がなかったのでは」とひらめいた。毎年、反射的に「変更なし」に丸を付けて送り返しているから、今年もそうしただけなのだが、税制が変更になり、カミさんの扶養者控除が受けられなくなっている。確定申告もしている。
確認すると、やはり送り返す必要がなかった。
「でもね」と思い返した。せっかく細かな切手を4枚集め、嫌味ったらしく110円を貼った。その僕自身の苦労に報いるため、そのまま送り返した。日本年金機構の事務手数が増えることだし、110円の損失もゲームだと思えば腹が立たない。
2024/10/14