川北英隆のブログ

ポイントなんて小物か罠か

またまたシミ友の悪口になるが、京都支店ATMでいつも並ばされるものだから、どうしても「坊主憎けりゃ袈裟まで」的になる。その袈裟の1つがOliveである。
知らないに等しいが、そのOliveの中にVポイントが組み込まれているらしい。このポイント、貯める方法はサイトで積極的に紹介されているのに、使い方に関しては消極的に映る。要するに自分たちの利益を優先し、顧客である「個人のため」への姿勢に乏しいのか。
そんなことを考え、ATMに並んでいると(月末でもないのになかなか順番が来ないものだから)、日本の企業って、こんなポイントでしか商売できないのかと思ってしまった。表現を変えると、「爪に火を点す」商売である。
大盤振る舞いをして、もしくは万人が感心する製品やサービスの提供によって顧客を喜ばせ、絶対的なファンにすることにより、「魚群を一網打尽」的な事業をやれないのかとの嘆きである。結局は、海外企業と日本企業の利益は桁が違う。当然、株式の時価総額の桁も違ってくる。もう少し抽象化して表現するのなら、日本の経営者の目線がきわめて低い。
戻ると、Oliveカードにして良かった理由として、たとえば「給与受け取りにするだけで2400ポイントもらえる」とある。でもネット銀行の普通預金金利と比べ、メガ銀行の金利は安い。新生銀行と比較すると、120万円の預金があれば、年間の利息が2400円(税引前)違ってくる。
それにネット銀行の場合、現金をかなり自由にコンビニで引き出せる。Oliveの場合、「月1回コンビニATM無料」が選べるらしいが、何だかケチくさい。
Oliveにはクレジットカードが付くらしい。これが曲者だ。メガ銀行にとってクレジットカードと、それに付随するリボ払いなどのローン機能が大きな収益源になっている。金利がきわめて高いから。そのローンに個人を引き込むため、Vポイントなるものを付与するのだろう。
VポイントもOlive自身に付与された機能も、あまり美味しくない餌、むしろ罠にしか見えないのだが、それでも「ないよりはまし、とりあえず小腹を満たせる」と食いついてくる魚がいる。それをすくい取ろうというわけだ。
個人顧客はメガ銀行にとって、そもそも歓迎されない顧客である。だから店舗内のATMの数が少ないし、店舗の統廃合が急速に進んでいる。でも銀行からすると、そんな個人を収益源にする手立てがある。上で述べたクレジットカードである。
3メガが置かれた状況は同じ、シミ友だけではないのだが、そこはさすがシミ友だと思えてくる。店舗の統廃合は他行に先駆けた。Oliveという戦略の設置も早かった。
とか考えていたら、ようやくATMの順番が来た。と、思い出した。前に書いた京都支店の印字が薄いのには苦情が殺到したのだろう。最近、まともになったように感じる。

2024/10/16


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