土山宿から水口宿にかけて、旧東海道は野洲川の右岸(北)にある。当時、反対側の左岸がどうなっていたのかは調べていないが、今と同様、田畑だったのだろう。ただし長坂山から下りた善福寺の西側には丘が迫っているため、荒れ地に近かったのではなかろうか。
今回歩いた丘の最高点はと調べたところ、その善福寺の西にあった。長坂山の北に位置する標高280mの等高線ピークである。そこには神社がある。野洲川の流れを遮るようにあるから、地形的に畏れられていたのかとも思う。
そんな丘と川の境界線を歩いている時、自然を見つけた。
1つはカラスウリの赤い実である。夏の気温が長く続いたものだから、「忘れていた秋がここにあった」と思った。それも1つや2つの数ではない。田をシカやイノシシから守るためか鉄網の塀があり、カラスウリのツルがそれを目隠しのように覆っていた。
もう1つはサルである。ガサゴソと音がしたから、何かと見ると、サルが竹藪と畑の間から赤い顔を覗かせていた。「へぇー」と思いつつよく見ると、何匹もいる。道路の反対側の田にもたくさんいた。
全部で何匹か。10は上回り、20程度は見えたように思う。ひょっとしてそれ以上か。それだけの数のサルにはいくらなんでも太刀打ちできない。相手もとりあえずは警戒しているから、脅かさないように群れの前を通り過ぎた後、写真を撮った。
彼らは何を食べているのか。取り残された大豆、ヒコバエの稲穂、その他の畔に生えた草の実などのようだ。人家が近いのに、20以上の数のサルがいるとは。人と動物の生活圏の境界が曖昧になり、人の領域が縮小している証拠である。
カラスウリとサルの写真をアップしておく。サルの写真は、後から確認すると4匹写っていた。望遠で撮ったのでぼやけている。しかも後ろの2匹は周囲と溶け込んでいる。
2024/11/09