三国岩三角点に満足しつつダイヤモンドポイントへのトレイルに戻り、北へと歩いた。この道は広くていいのだが、周囲に点在する別荘の改修工事のせいなのか、タイルの破片がかなり転がっていて艶消しだった。細い道を分ける箇所もあるが、迷うことはない。
古いダイヤモンドポイントの標識を見て下ると、西から北にかけて大きく見渡せる展望所に出る。「百万ドルの」と同じ意味で「ダイヤモンド」が使われたようだ。
朝に歩いた双子山から石楠花山を確認できたのが収穫だった。三田とその奥の丹波の山々も見えたのだが、こちらは遠くかつ霞んでいたため、名前を確認する気が起きなかった。
有馬の北西、金剛童子から西に連なる峰もあった。その手前に水晶山の、松の目立つピークがある。ダイヤモンドポイントの標高は750m程度あるのに対し、水晶山は710mなので迫力が不足していた。
ダイヤモンドポイントから北西に下った。鞍部に下り立ち、小ピークを越す。岩場もあり、ようやく水晶山としての貫禄を感じられる。
小ピークの次のピークが水晶山(710m)だった。山名の標識を探したところ、目立たないながら、水晶型をした高さ50センチばかりの灰色の岩を見つけた。そこに「水晶山」と刻まれていた。古い岩である。新しい標識は撤去されたのだろうが、さすがに「水晶山」の岩の標識まで排除するに忍びなかったのか。その山頂は林の中で、展望も三角点もない。
ところで水晶山は、その名の通り、今でもわずかながら水晶が採れるらしい。登山アプリのヤマレコで見ると、水晶山の南斜面に不自然な足跡がいくつか記されている。多分だが、水晶を探して歩いたのだろう。なお、AIを使って調べると、「水晶は採れない」との回答が出てくる。間違いである。「アホンダラやな、もっと足を使って調べろや」と言っておこう。
水晶山からは北西方向に向かって尾根を下っていく。登山者が1人登ってきたのはすでに書いた通りである。さすが六甲だと思う。
全般的に急な箇所は少ないのだが、雨水で削られた箇所がいくつかあり、比較的大きな段差ができていた。下るにしたがって尾根が分岐し、不明瞭な箇所が出てくる。何回かGPSで位置を確かめた。途中、地獄谷への分岐があったが、あくまでも尾根道を歩いた。最後に尾根から北に下り、地獄谷のルートと合流する。
合流点のすぐ先で地獄谷の流れを渡り、少し登り、真っすぐ歩いて阪神高速の下をくぐる。その手前に、西へ折れるしっかりとした踏み跡があったが、行き止まりに近かった。
高速の先は太い道になる。その道を登ると大きな車道に出る。車道との合流点に登山口の表示がある。後は地図を見ながら新興住宅地の中を歩く。近道をしようと思うと少しややこしい。アップダウンを経て大池駅に出た。
写真は順に、ダイヤモンドポイントから見た水晶山(中央、手前)、水晶山山頂(木に石が立てかけてあり、石の表面に水晶山と刻まれている)、水晶山との刻字である。
2024/12/06